last scene【靴を脱ぎ棄てて 後半】
いつものようにテレビの仕事をしていると、
マネージャーに週刊誌を渡された。
「モデル兼タレント宇崎みうな
(元:トーヨコミューナ)のフィアンセ
(元:レパブリカ宇崎洋平)はお好み焼屋の店員」
(だからどうした?)という印象しかなかったが、
すっぱ抜かれたので、普通に記者会見を開いたら、
「以前から社会問題になっている『食の安全』について、
朝のニュース番組でゲストコメンテーターとして
是非お話をお伺いしたいです」
という仕事のオファーが来たので、
面白半分で一回だけ出演したら、
なぜかその番組の「金曜日の朝の顔」として
レギュラー出演が決まってしまった。
数年後、ニューヨークに行くための
資金を働いて稼いだ私達夫婦は、
ケネディ空港行きの飛行機に乗っていた。
店長が宇崎、売り子があたしの、
小さなランジェリーショップを二人で経営するために。
To:麻巳子
To:翔君
件名:★☆ミューナっち☆★
本文:日本しばらくサヨーナラ。失敗したら戻ってきます。
あたしはテレビでも雑誌でも、最後はこうやってしめてたからね。
「すべて、ダンナのおかげです」
そう言って、左手薬指を見せるだけで笑いがとれる。
なんせ「カーテンレール」だもの。
流行語大賞とっちゃったわよん。グッピー♪
ピッ。
「よし、送信」
「みうな」
「なに?」
「飛行機の中で携帯いじくるな。デーモンさんから返事が来るから」
「あ、マジでデーモンさんから返事来ちゃった……」
「二人にはあとで、その内容のエアメールでも出しとけ」
「はーい」
「みうな、ニューヨーク着いたら最初になにしたい?」
「あんたの元カノの捜索願い出したい」
「アホ。もっとちゃんとした指輪買ってやるよ。寝るぞ俺」
「あたしもねむい」
そのままあたし達二人は、互いの手を握り合って、
飛行機がニューヨークに着くまでグーグー寝た。
(了)




