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vol.60【代表取締役 高木みうな 第2話】

ひとしきり泣いた後、最後の力を振り絞って、

オフィスのどこかにいるはずの「ゲスト」を探した。

もちろん、エレベーターも使えなくなっているし、

蛍光灯の明かりすら点かない。


太陽光だけで、総務部のある階から、

非常階段を屋上まで駆け上がり「ゲスト」の姿を必死に探した。



屋上に「ゲスト」でなく「部外者」がいた。


「DIY」元社長だ。憔悴しきった顔で、

フェンスもない屋上の端っこに佇んでいる。

しっかり靴まで両方脱いでいる。

死んでお詫びをするつもりか? 情けないオッサンだ。


「オッサン」

「なんだね、キミか」


「あんたに『キミ』なんて言われる筋合いないよ。

その背中押してあげましょうか?」

「や、やめたまえ!」


「ウソですよ。元社長にそんなことをしたら、

この会社のイメージがもっと悪くなりますしね」

「元社長? 私はこの会社の社長だ!」


「だったら、そんな下手な猿芝居はやめてくださいよ、社長」


「社長」と呼ばれたオッサンは、

靴を履いてあたしに近づき、泣きながら土下座した。


「すまなかった! 会社がこうなったのは

私と宇崎君の責任だ。許してくれ高木君!」



ドカッ!



あたしはオッサンの頭をヒールで蹴っ飛ばした。



「なにをする!」

「この会社の社長は、今日からわたくし、高木みうなです。

あなたは部外者ですので、屋上からではなく、

一階非常口から速やかに出て行くように!」

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