vol.49【満たされない女達 第1話】
二週間後、顔が元に戻り、愛店長の謹慎処分も終わり
「DIY! 渋谷09店」は通常営業を開始した。
カンナは、しっかり戻ってきていた。
しかし、開店から閉店までの間、
カンナはあたしと一言も口を聞いてくれなかった。
閉店後、三人の間で緊急ミーティングが行われた。
「カンナ」
「……」
「カンナ、今日のあんたの態度はなに?
お客様にもミューナにもあたしにも、あんな態度取って。
今日の売り上げ、半分も達成できなかったじゃないの……」
「愛さんよお、売り上げ売り上げってうるせーんだよ!」
「カンナ!」
「確かに会社からお呼びがかかって、
呼び戻してもらったことには感謝してる。
でも、商品やディスプレイを壊したのは
あゆみだけじゃないじゃん。ねえ? ミューナ」
「そりゃそうだけど……あゆみはあたしの顔にも傷をつけたのよ」
「だったら、傷がついた時点で辞めりゃよかったのに。
今のミューナはただ、会社と宇崎のジジイに
面白がられて担がれてるだけじゃん」
「カンナ、あんた……」
「うっさい! いくら専属モデルだからって、
ミューナも商品やディスプレイを壊した。
なのに、なんであゆみだけが全責任を取って
辞めなければいけないワケ?
あいつ今、カネも仕事もなくて、AVの面接受けまくってんだよ!
あんな真面目な奴がかわいそうに!
あんたもモデル辞めるべきだし、
そんだけ有名になって綺麗になったんだからAVでもやれば?」
「カンナ! あんたあたしがバージンだって知っててそんなこと……」
「うっせぇ! だいたいねえ、この会社の対応にもむかつくんだよ!
一度辞めさせといて、すぐまた戻って来いなんていい加減すぎるよ。
あたしが感謝してるのは会社じゃなくてカネ!
ったく、総務部上がりの女が……」
「総務部上がりの女がなんだって?」
「榊部長」
いつの間にか、あたしたち三人が車座になって
話しこんでいるところへ、えみり部長がやってきていた。




