vol.4【変化と出会い 第1話】
日曜日はいつものように一日中爆睡して、
それでも「笑点」だけは観て、月曜日、
いつものように会社に行った。
「おざーっす!」
総務部は、女ばかり。いつもならみんなが
チラッとあたしの顔を見て「おはよっす」って
言うだけなのに、この日は違った。
「みうなちん! どーしたの? お肌つるつる!」
とは、二年上のさくら先輩。茶目っ気たっぷりの人だが、
会社のホームページ制作を一手に引き受けている
パソコンのプロであり、才女。
「高木先輩、お化粧品、変えたんですか?」
とは、今年入社したての二十歳の真里。
パソコンは全くできないが、電話応対と書類作成のプロである。
「へ~え、高木さんも、やっと女に目覚めたのねぇ」
とは、販売部から総務部に人事異動してきた
(「DIY」では、販売員は二十五歳を過ぎても結婚退職しないと、
自動的に総務部に回される。それがイヤでみんな二十五で辞めていく)
三十三歳のお局様、榊えみり部長。
あたしは、総務部の女全員に囲まれて、褒めちぎられた。
「あ、土曜日に、友達がやってるエステの三時間体験受けて。
あんまり、有名じゃないエステなんだけど……」
「え~、どこのエステですか? 紹介してくださいよ~」
「てゆーか、あたしそんなに変わった?」
「変わった変わった! なんか急に『女になった』って感じ!」
「『女になった』な、なんか、やらしい言い方だねえ」
「どこのエステ? あたしにも紹介して!」
「あたしにも!」
「あたしにもぉ!」
(あ~あ麻巳子は、こうやってイモヅル式に
ノルマを達成してるわけだ。いい商売よね)
こうして、あたしは総務部の女十二人全員を、
麻巳子経由でエステに紹介することになってしまった。




