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vol.35【蔑みのニックネーム 第1話】
「は、今度は取材?」
マルキューの販売員をはじめて四ヵ月ほどたったある日、
あたしは、いつも『MYU―NA』の広告を載せてもらっている、
某ギャル向け雑誌の取材を受けることになってしまった。
「えみり部長、なにを話せばいいんですか?」
「や、そんなに深く考えなくてもいい。今のミューナの脳みそに
詰まっていることを、全部喋ればいいだけ」
「そんなことしたら、またなんちゃって女子高生がわんさか来ますよ」
「そんときは、またああやってクソガキども撃退しに行くわよ」
「えみり部長のパフォーマンスそのものがウチの商品になってますけど」
「あっそう。じゃあ、今度『応援』に行くときは、
本物のマシンガンでも持っていこうかしらねえ?」
「受けます……取材」
「渋々って感じねえミューナ。取材そんなにイヤなの?」
「イヤですよ。聞かれることはだいたいわかってますから」
「さっき『受けます……取材』って言ったわよね。自分の口で」
「でも……」
「いいから受けなさい」




