vol.24【名前が変わった日 第3話】
ムダ毛処理が終わり衣装を着て、メイク室にある
全身が写る大きな鏡で最終チェックをする。
メガネを外されたので、ボヤケてはいたが、
とてもモデルには見えない。女力士か芸人かという感じだった。
「ま、最初のコンセプトは、これだから」
誰かが言った。あたしはその格好でメイク室を出た。
「ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
とたんに、その場にいた全員の激しい笑い声が耳を劈いた。
そのときの恥ずかしさといったら、大会議室で、
宇崎さんに勝手にCGを晒された時の比ではない。
「や、やっぱCGじゃなくて、本物使って正解ですねぇ。インパクトがもう……」
カメラマンは、あたしの下着姿をパシャパシャ撮った。時々吹きながら。
「はい、じゃあ次は……ぷっ。両膝を床につけて、
足をちょっと開いて……ププッ。
あ、頭に両手を回して……ブホッ!
全身を心もち後ろに反らせて……プハッ!」
さすがにムカついた。
「はい、これで撮影は終わりです。僕もあなたみたいなキワモノ……
いや、個性的なモデルさんを撮影するのははじめてで……
何度も笑っちゃってごめんなさいねホントに」
(絶対、許しません。ちくしょー、
マジで綺麗になって、テメエの鼻あかせてやる!)
メイク室に戻り、化粧を落としてメガネをかけて制服に着替える。
今日の「衣装」は、タダでもらえるという。
絶対つける機会がないと思われる、水色に赤いハートのアップリケ、
キングLサイズの気のふれたブラジャーとパンティを。
まあ、こんなシロモノ「五千円やる!」と言われても
誰も欲しがらないだろう。
あたしだって、こんなものもらっても、嬉しくもなんともない。
(これが「ギャラ」ですか)
でかいため息が一つ出た。




