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vol.12【キツすぎる靴 第4話】

間もなく、司会者が宇崎と共に入ってきた。

相変わらず、渋谷をほっつき歩いているチャラ男のような格好をしている。

宇崎は入り口近くにある椅子に座った。

プレゼンが始まった。司会者が宇崎を紹介する。


「それでは『オリジナルランジェリーショップ・レパブリカ』代表、

宇崎洋平様、正面にお越しください」


宇崎は堂々とした態度でスクリーンの前に立った。


「ただいまご紹介にあずかりました

『オリジナルランジェリーショップ・レパブリカ』

代表の宇崎洋平と申します。本日は社員の方々に、

わたくしのために貴重なお時間を割いていただけたことを

大変感謝しております。それでは、資料の1ページ目をご覧ください」


そこには


「DIY feat.Republica」


とシンプルに書かれていた。ふ~ん「レパブリカ」って

こういうスペルだったんだ……。と思いながら、

あたしはわけのわからない話をボケーっと聞いていた。


そんなあたしをよそに、プレゼンは続く。


「それでは只今より『DIY feat.Republica』の

メインキャラクターというべき専属モデルの発表をいたします。

皆様、手元の書類をご覧いただく前に、こちらをご覧ください」


ザーーーーー。


電子音とともに、背後の窓の黒いカーテンが動き出し、

宇崎がプロジェクターの方に移動した。

照明も全部消え、大会議室が真っ暗になる。

やがてプロジェクターに明かりが灯り、スクリーンに画像が映し出された。


「ギャハハハハハハハハハハハ!」


次の瞬間、会議室は笑いのるつぼと化し、あたしは固まった。

なんとそこには「レパブリカ」の下着だけを身に着けた

あたしのセミヌード写真が映し出されていたのである。


おそらく、宇崎がパソコンを使ってデジカメで撮った

あたしをうまく脱がせて「レパブリカ」の下着と組み合わせたのだろう。

どうやったらこんなにうまくできるんだ、

というくらい精巧にできた写真。アイコラよりタチが悪い。


あたしは、恥ずかしいのも忘れてその場に立ち上がり、宇崎に牙を剥いた。


「宇崎さん、どういう冗談ですか? 

まさかあたしがモデルになるってわけでもあるまいし!」

「あなたがモデルになるんですけど」

「は?」


宇崎が言葉を続けた。


「総務部の高木みうなさん。彼女を

『DIY feat.Republica』の専属モデルにします!」

「えええっ!」


とたんに、プレゼンに参加している社員達がニョキニョキ立ち上がった。


「どういうつもりだ!」

「目が腐る!」

「ウチのブランドのイメージが落ちる!」

「そんなものを公の場に出したら会社に抗議が殺到するぞ!」

「そーだ、そーだー!」

「やめろ、やめろー!」


あたしのルックスがおもいっきりけなされていたが、

屈辱よりも、社員達の言うことのほうがもっともだという

気持ちの方が大きかった。


こんなものが公の場に出されたら、自分の写真とはいえ目が腐るし、

自分で自分の会社に抗議したいくらいだ。

だが、宇崎は落ち着いて言葉を返した。


「最初のうちは抗議も来るでしょう。

お客様も皆様のように大笑いするでしょう。

しかし、わたくしは、彼女をずっとこのままの姿で

専属モデルに起用しようとはもちろん考えておりません」

「どういう意味だ!」

「彼女をどんどん美しくするのです。たとえばこんなふうに」


宇崎は大量の合成写真を、一定のリズムでスクリーンに映し出した。

あれれれれ、あたしがだんだん痩せていく……

髪がどんどん長くなっていって、顔も徐々にだけど綺麗になってゆく……。


最後の写真が映し出された。黒髪ロングストレート、

真っ白な肌、赤い唇をした小さな顔、

それに続く細い腕と豊満なバストと、

キュッと締まったウエスト、小さなヒップに細く長い足……。

ありゃりゃ、あたしがモデルになっちゃったよ。


「このように、彼女のような女性が

どんどん綺麗になっていく様を

お客様に見ていただくのです」

「それはもちろん、そうやってCGを使うんだろう?」

「いいえ、高木さん本人を綺麗にするのです。

最終的には彼女を実際にこういうルックスにします」

「どうやってやるんだ!」

「美肌・痩身については、只今エステティックサロン

『GET★CUTE』と交渉中です」


(「GET★CUTE」って、麻巳子が働いてるエステじゃん……)


「顔はどうするんだ! 痩せたからってそこまで綺麗になるわけがない!」

「彼女の承諾を得た上で、整形手術を受けていただきます」


(だっ、誰が承諾なんかするもんですか、おっかない!)


「エステだの、整形だの……費用はどこから捻出するんだ!」

「彼女にはこのプロジェクトの広告塔となっていただきますので、

交渉しだいで費用は一切かからないと思われます。

しかし万が一の場合『レパブリカ』と

『DIY』で折半することを考えており……」


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