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次はあなたかもしれない〜〜特殊詐欺の実態がヤバすぎる!

作者: 黒とん君

 今日の朝10時半ごろ。


 新聞配達の朝刊を配り終え、朝飯食って仮眠を取って、起きてスマホをなんやかやといじっていた全くいつも通りの金曜日だった。


 電話が掛かってきた。


 見たこともない番号。いつもなら無視するんだが、末尾が違った。「0110」とあった。


 要するに警察だ。別に後ろに手が回るような事はしてないけど、警察が相手では無視するのはさすがにまずくね?と思ったんで、出た。


 すると妙にくぐもった、あんまり賢そうには聞こえないおっさんの声で、「黒とん君のお電話ですか?」


 「はい・・・・・・」

 「私は警視庁捜査ニ課の伊藤と申します。山梨県警から要請を受けまして、ある事件の捜査をしているのですが、黒とん君が嫌疑にかけられています。山梨まで来ていただける事は可能でしょうか?」


 はあああああああああああっ!!!?って思った。俺の住んでる県と山梨は500キロ以上離れているんだ。とても無理。


 「むっ無理です!」

 「そうですか。では質問にお答えください。近くに第三者的な人物はおられますか?」 

 「いません」

 「そうですか。では過去3年前までにクレカやキャッシュカードを無くされた経験はありますか?」

  

 名義貸し?口座貸し?確かに違法なのは知ってる。それに無くしたクレカやキャッシュカードが悪用されたなんて事はありそうだ。更に記憶が曖昧で(還暦じじいなんてこんなもんですw)無くしたかもしれないって思った。ならば確かに悪用されていてもおかしくない。


 だけど何故かブレーキが掛かった。俺にはクレカの会社を騙った詐欺野郎どもに危うくふんだくられそうになった経験がある。それでかもしれない。とにかく俺の中でほんとの警察か詐欺野郎か文字通りの五分五分だった。


 聞いてみた。

 「一体僕がどういう犯罪を犯したっていうんですか?」

 「質問に答えていただけなければ言えません」


 ???普通警察ってどういう事件の捜査をしているって最初に言わないか?質問に答えなきゃ言わないなんてあり得る?これで詐欺野郎に60%傾いた。


 そして心が強くなった。心が強くなれば頭も回る。更に尋ねた。

 「これは任意ですか?」

 「はい?」

 「任意の事情聴取かと聞いているんです」

 「任意ではありません。質問の回答を拒否するならあなたは逮捕されます。


 ????これで80%になった。回答を拒否すると逮捕される職務質問なんて聞いたことがない。畳み掛けて聞いてみた。


 「あなたのお名前とお立場をもう一回言ってください」

 「警視庁捜査二課の伊藤です」

 「山梨で起きた事件ですよね。何署が担当されていますか?」

 「山梨県警本部です」

 「だったら県警本部が直接僕に事情を聞くでしょう。何故警視庁が間に入るんですか?」

 「非常に大規模な事件だからです」

 「殺人事件ですか?何人か亡くなっておられるんですか?」

 「違います。オレオレ詐欺です」


 はいこれで95%。「質問に答えなきゃ言わない」とか言っといて問い詰められたらボロッとこぼしてんじゃねえかw

 「とにかく身に覚えがありません!」と怒鳴ると、プツンと切れた。


 ふふふふ・・・・・・


 やったあああああああっ!くそ詐欺野郎を追っ払ったぞおおおおおおおおっ!


 でもまだ100%じゃない。「警視庁捜査ニ課 詐欺」でググってみたらAIはこう答えた。『警視庁捜査ニ課と名乗る電話は特殊詐欺の可能性が高いです。警察が電話で捜査の話をすることはありません』はいこれで100%。ホッとしたよ。


 もうネギカモにされんのはごめんだ。


 今回は心を強く保てたのが勝因だった。とにかくわけのわかんねえ世の中だ。心のウエイトトレーニングは幾つになっても必要なのかもな。特に俺みたいな一人暮らしで友達もいねえじじいはなw


 まあ、今日はホントに俺の人生の中で数少ない勝利の日でした。今日飲む酒はちょっとだけ・・・・・・うまかったりしてなw

 


 

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