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第八話 ・・・のような夕暮れの話

宮都の足跡がきこえなくなり、私はそっと息をついて。

後ろでボーッとしている拓をふりかえった。


「宮都・・・。やっぱ、変わってなかったね。」


「まあな。あの一週間、一緒に旅行してみたけど。

 やっぱ、あのことは忘れれなかったみたいだ・・・。」


 いつになく寂しげな拓の顔をみながら、私はごまかすように笑った。


「そこまで期待はしてなかったけどさ。

 拓は宮都のこと、どう思う?あ、もちろん友達として、だよ?」


「・・・昔と比べたら、少しはつよくなったかもしんないけどよ。

 今の宮都も、昔の宮都も、なんつーか・・・純粋ってゆうか。

 あんなことがあっても、俺らを友達っていうけど。

 まだ、人を信じきってない気がするっていうか。」


 拓は頭をガシガシとかきながら、うまく言えねえんだけど、と苦笑した。

 私は、宮都が私たちを信じてくれていると思いたい。

 ・・・けど。正直にいうと、私も拓と同じ意見だった。

 今でこそ、優等生ってふりして、時々私たちをからかうけど。

 中身は、昔のままの、引っ込み思案で、純粋で、繊細で、傷つきやすい。

 そして、誰よりも優しい、宮都なのだ。

 だからこそ、私は。宮都が心を閉ざしていることが、悲しい。

 

「・・・うん。そう、だね。」

 

 ね、宮都。


 宮都が心の底から笑ってくれる日は、くるの―――――――――――?

 

 それきり黙ってしまった私の頭を、くしゃくしゃと拓が撫でる。


「ほら、そろそろ行かないと。宮都が怒るぞ?」

 

 教室の窓から空をみると、もう雲が夕暮れの色に染まり始めている。

 慌ただしく廊下を駆けていく二つの音が、小さな余韻を残して、消えていった。

今回は拓と神奈のお話。

みやっちゃんについて、ド下手な伏線を残していきました・・・。

二作目、「音律師の旅!」新たにつくりました!

そっちご覧になってくれるとうれしいです!

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