2分だけ、俺とルームメイトと部屋だけが異世界になってました。
朝起きたら、そこは異世界…ではなく自分の部屋だった。
自分の部屋だ。それは確かである。ただし、服がRPGの勇者のようになっている。これだけならルームメートの悪戯だと思っていただろう。
しかし、床に草が生い茂り、家具が何もかもなくなっている。寝ている俺に気付かれずにここまで大がかりなドッキリができるか?
とりあえず、リビングに向かった。
「起きたか。これ、雄太がやったんじゃないよな?そんなわけないか」
ルームメートの孝介もRPG風の服になっていた。
そして、リビングも家具がなくなっており、草原のような状態だった。
「もしかして、異世界転生ってやつか?」
「いや、窓の外は普通に現代だ」
「ここだけが異世界になってるってことか?」
「さぁ?ただ、ドアも窓も開かなかった。さっき確かめた」
「冷蔵庫もないし、朝ごはん食べれないじゃん」
「なんとか脱出しないと、餓死するぞ」
外に出る方法はないだろうか、と2人で考えていると、何か鳴き声のようなものが聞こえた。
「おい、あれって…」
リビングにはゴブリンのような生物、というかゴブリンが2体いた。
「落ち着こう、これは夢、これは夢だ。そうじゃないと説明がつかない。うん。夢だ」
気付くべきだった。これは夢だ。それ以外の可能性はない。そう信じたい。
「雄太!倒すぞ!」
「は?いやいや、え?」
気付けば俺も孝介も剣を持っていた。
「いや、勝てるわけないって。剣とか握ったこともないし、運動神経悪いし、無理だって!」
これは夢。だから大丈夫。死んでも問題ない。うん。夢だ。
「すごい、斬れた」
ザシュッ、という音と共に、ゴブリンの首が飛んでった。血を撒き散らしながら。
孝介が殺ったらしい。
「く、首ィ!?血、血が…」
孝介は返り血まみれになっていた。
ザシュッ、ともう一度何かを斬った音がする。
「よし、2体目」
よし、2体目じゃないよ。なんで冷静に首飛ばしてるわけ?いや、恐怖しかないんだけど。
2体目が死ぬと、ゴブリンは跡形もなく消え、リビングは元通りになっていた。
これは、時々この世に現れる現実と異世界、その狭間の物語。
なろラジ大賞用に15分で書きました。
これ、ジャンルどうすればいいんでしょうね。
12月9日追記
初コメント、ありがとうございます。コメントでご指摘いただいた通り、個人的にもローファンタジーが一番近いのかなぁと思っていたのですが、ハイファンタジーにしてたみたいで…変更いたしました。
12月12日追記
ポイント増えてますね。ありがとうございます!