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#84.嫌な予感がする

 

「……というわけで、この1ヶ月間ライバースにおためししょぞくすることになりましたー! 8月末のライバースライブフェスに出演するので、みんなきてねー! ちなみに、グッズはそのときに販売されるそうです!」


 コメント

 :わぁー!!

 :絶対行くー!!

 :ライブフェスが3Dお披露目ってこと!?

 :楽しみ!!

 :ライバース箱推し俺、大歓喜


「てなわけで、今日はこのへんで! おつあられ〜」


 コメント

 :おつあられ〜

 :おつー

 :おもしろかった!

 :掃除がんばれよwww

 :おつあられー


 私はマウスカーソルを動かして、配信終了の文字をクリックする。


「……っと」


 腕を伸ばして体をほぐしつつ視線をPCからずらしてみると、世紀末レベルで散らかった部屋と、半ギレ状態で怒りの笑顔をこちらに向けるきうい姉の姿が目に入る。


「まっっっじでこれ元に戻さなかったらクビだからねぇ! 分かったぁ!?」


「す゛み゛ま゛せ゛ ん゛ぅぅ!!!」


 マネージャーは大量の涙を垂れ流して、キウイ姉にペコペコと頭を下げる。

 私がそれに苦笑いしか出来ないでいると、


「あられちゃんに言ってんだよっ!?」


「は、はい! すみませんっ!」


 と怒られてしまった。


 その後、私達はおよそ3時間かけて部屋の片付けを強制されることとなった。


「ふぅ……やっとかたづいた……」


ピカピカを取り戻した部屋を材料に、私は一通り達成感に浸り終えると、隣で同じく満足気な顔をしているマネージャーに声をかける。


「ところで、マネージャーさん。しゅうでんとかだいじょうぶなんですか? もうこんな時間ですけどぉ……」


壁にかけられた円形の時計は、午前1時を示していた。


「あ、はい! 私は大丈夫です!」


あれ? 案外冷静だ。てっきり"忘れてたぁっ"と悲鳴を上げると思っていたのに。


予想に反して笑顔のマネージャーは、私に一礼するとてくてくと歩いて部屋を出ていく。そしてその数秒後に、左側からガチャンと扉を閉める音が聞こえた。


いや隣かいっ!!! ……というか、まさかの社中泊……ここ、意外とブラックなのか?


「おっ! キレイになってるじゃあん!」


私が開けっ放しの扉を見つめていると、そこからひょこっときうい姉が顔を出した。


「あっ、きういさん。お疲れ様です」


「おっ! 切り替え早いね〜。撮れ高意識してくれるのは良いけど、ぽんこつも程々にしてよぉ〜」


彼女は部屋の中に足を踏み入れると、扉を閉めて置いてあった椅子に腰を下ろす。


「……ま、まあ今日は元通りになりましたから! これでライバースクビも無事免れましたし」


「あぁ〜そのことなんだけどさぁ、私もあの時は冗談で言ったんだけどねぇ」


少し歯切れ悪く話す彼女に、私は不信感を抱く。


きうい姉のこの感じ……何だか悪い予感がする……


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