#68.彼女は流星の如く現れる
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「騒がしいぞ! 祭りか!? 祭りだな!!! ゆかいゆかいぃっ!!!!!」
誇らしげに胸を張ってこちらに歩いてくるその女性の声には、どこか聞き覚えがある。
花陽芽 ユリと水星 なのも名前位は辛うじて聞いたことはあるのだが、声を聞いても正直イマイチピンと来なかった。
が、緑色の髪を豪快に揺らすその彼女の声は、偶々耳にしていたのではなく、私が明確な意図を持って聞いていた声であった気がする。
彼女はようやく私達の元に辿り着くと、豪快に笑い始める。
「ハッハァー!! 祭りだろ! そうだろ!? 楽しんでるんだな!? ユリ、教えてくれないなんて酷いじゃないか!!」
「はぁ〜もう……祭りじゃないよ〜。 絶賛きうい先輩に怒られ中」
「何!? 怒られていたのか!! ハッハァー! ユリはお馬鹿さんだな!!」
「……なぁーっ!? あんたには言われたくないんだけどぉ!!」
特徴的な会話を耳にしながら、その声をどこで聞いたのか思い出そうと過去の記憶を掘り起こしていると、パッと私の方に視線を向けた彼女と目が合った。
私が思わず息を飲んだその瞬間に、彼女は大胆に口を開ける。
「見たことない顔だ!!! 一般人か!?」
「失礼でしょうがっ!!! まあ、私も気になってたけど!」
ユリが緑色の頭をテンポ良くべしっと叩きつつきうい姉に目線を送り、それに応じるべくきうい姉は口を開く。
「この女の子は、新進気鋭の大物新人VTuber 甘姫あられちゃんだよー!」
……そ、そんな大物新人だなんて……ほ、褒められたって別に何も出ないわよぉ……? まあ、事実なのだから謙遜はしないけれどね!!!
するとここぞとばかりにユリが目を輝かせてグイッと近づいてくる。
「えー!! あられちゃんってあの社長からスカウトされたっていう……!? だから今日ここに!? すごぉーっ!! マジでJKじゃん! 制服可愛いぃ!!」
「……う……あ……」
「はーい〜あられちゃん困ってるから程々にね〜」
突然のマシンガントークに思わず戸惑う私を見て、すかさずきうい姉が興奮する彼女をなだめてくれた。
スカウトをここまで賞賛するということは……彼女はオーディション形式でライバースに加入したのだろうか。
推測中の私の表情が不機嫌なように見えたのか、ユリは即座に合唱して頭を下げる。
「あーっ! ごめんねー!! 仲良くなりたくってつい……紹介にもあった通り、私はユリ、よろしくね〜。そんで、この真緑髪のアホ面女はメテオね。いかつい名前だけどれっきとした女性ライバーだから、安心してね〜!」
「なんだとっ!? 私は阿呆ではないぞ!!!」
二人は滑らかなムーブでまたいがみ合いをおっ始めるが、すぐにきうい姉に仲裁された。
ライバース、実は仲悪い説……?
いやいや、喧嘩するほど仲が良いというから!!
それに、もしかすると配信に活かせるよう練習の一環として日頃からこうした茶番を行っているのかもしれない! いやそうだ! そうに違いない!!
メテオと紹介されたその女性は、私の方に向き直るとスっと左手を差し出してきた。
「ライバース5期生のメテオだ!! よろしく!!!」
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第六十八話読了ありがとうございます!
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