#47.シチュボは拷問
600ptありがとうございます!!!
とあるデビュー1ヶ月記念配信でのこと。
応援してくれるファンへの感謝とそのお礼として、私はメンバーシップの開設を発表した。
が、メンバーシップとは金銭の関わる有料サービス。たとえ購入するのがファンであっても、なるべく不満は出ないようにしたいし、出来るだけファンを満足させられるような形にしたい。
その思いを胸に頭を悩ませた結果、私はシチュエーションボイスを特典とすることにした。
今思い返すと、一種の気の迷いだったかもしれない……
何と言ってもボイスの録音がキツかった。
あられはロリ要素がかなりあるので、シチュボ第一弾は『おにいちゃんを出迎える妹ボイス』に挑戦したのだが……
「んんっあーあー……おっにいちゃーんっ!! おっかえりぃー!!! おにいちゃん、かおいろわるいよ? もしかしてつかれてるのー? じゃあ、あられがよしよししてあげるっ! ……はぁ、こんなもんでどうかしら……」
録音した音声を聞き返す。
『おっにいちゃーんっ!! おっかえ──』
「んんんんんんきもいっ!!! きもすぎる!!!! 何言っちゃってんの私!!! 良い歳して幼稚園児みたいにおにいちゃんって!!!!! しかも1人で!!!!! 何の罰ゲームなのよこれえぇー!!!!! こんなきもいの消去よ消去!!!!! 録りなおしよ!!!!」
というふうに、当分は録音して聞き返して暴れての繰り返しとなり、収録が一向に進まなかったのを鮮明に覚えている。
正直、もう二度とやりたくない……が、定期的にメンバーシップ特典で収録しなければならない。
ちなみにライバースはボイスを有料で発売することも多く、あのきうい姉でさえ三ヶ月に一度は収録させられているらしい。
恐るべしライバース運営……!!!
……と、そんな半トラウマの回想は良いとして、今問題なのはこれを面白がっているチカだ。
というかなんでメンバーシップに入っているのよ!!! ……いや、スパチャと称して数十万を手渡しするイカレセレブが入っていない方がおかしいのか……
「はぁーあられちゃんのボイス……いつ聞いても最高だはぁー」
『よーしよーし』
「何面白がってるのよ!!! 恥ずかしすぎて死にそうだからやめて!!!!」
「えー面白がってなんてないよー。本当に最高なんだもんっ! ここ最近は登下校中ずっと聴いてるよー!」
「はぁ!? それ本当に言ってるの!?」
『よーしよーし』
「安心して〜イヤホンで独り占めしてるからさ〜」
『よーしよーし』
「なら良かった……ってならないのよ!!!」
『よーしよーし』
「うるっさいわね!!! いい加減黙らせなさいよ!!!!」
ったく、メンバーシップに入ってくれてるのは……ほんのちょっとだけ嬉しいけれど! しかしあのボイスをチカに聞かれていると思うと……無理! 死ぬる!! ナ行変格活用已然形が出ちゃう!!!
「あまちゃ〜ん、いつになく慌ててるね〜」
発狂する私をよそに、チカはしたり顔でこちらを見る。
「あまちゃんは賢いから分かるよねー? このスマホにイヤホンを刺して欲しければ……ね?」
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