#42.天才少女は電脳世界に舞い戻る
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私──甘姫あられの炎上騒ぎから丁度1週間後、5月12日。
久々に開いたPCの画面には、待機画面の配信と蠢くコメント欄、そして七歩之才との通話画面が三重に表示されている。
ざえから謝罪のメッセージが届いたあの後、私は彼女に再度コラボ配信をしたいと伝えた。
もっぱら謝罪中のざえが断るはずもなく、お互いの予定の関係で直ぐにとはいかなかったものの、この1週間後の日曜日にコラボできることになった。
コメント
:とりあえずあられちゃんが生きてることに一安心……
:まず説明して欲しい
:炎上したの?
:もう手遅れだろw
:待ってたよあられちゃん!
:ヤラセの人?
:復活!!!!!
:ヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセヤラセ
:連投やめろ(怒)
:荒れてるなー
:伝説の予感……!
:ヤラセだろうが何だろうがあられたんが可愛ければそれで良い
:恋は盲目とはこのことだな
うわぁ……私史上ダントツで荒れている……
一応荒らし対策で"チャンネル登録者"のみコメントを打てるようにしているのだが……登録までして荒らしに来る輩がこんなに多いとは。
それに、いつも暖かいコメントをくれる常連の視聴者達も今日ばかりは不信感を募らせている。何ならメンバー会員であっても荒らしに転じている人だっている。
まああれだけ本配信や切り抜きの再生数が回った上に1週間も音信不通となると、そりゃこんなことにもなるだろう。
と言えど、まだスーパーチャット──いわゆる投げ銭機能は搭載していなかったので、これでもマシな方かもしれない。人間、お金が絡むと途端に荒くなるものだ。
「……本当にごめんなさい。私、興味本位で自分勝手に……」
「……もう! それはもういいっての! 配信前なんだからきりかえるよー!」
半無法地帯のようなコメント欄を見て再度謝り始めるざえに、久しぶりの甘姫あられ口調で返す。
ざえがどこまで気づいているのかは分からないが、たとえ全てを知っていたとしても無論私はぽんこつを演じなければならない。
そして今日、懐疑的になっている私の視聴者さえも完璧に騙すのだ。
まるで初配信の時のように。
「……でも、本当にいいんですか? 弁明の配信なのに"ありのままでいろ"って……」
そう。私はざえに、配信中は"ありのままでいて欲しい"と伝えてある。
それは別に彼女への遠慮だとか、真実を打ち明ける下準備だとか、そんなものでは無い。
これは、彼女を利用するための罠だ。
まず、"ありのままでいろ"と言われても、きっと彼女は先週の配信のような態度は取らないだろう。
こうして何度も謝ってくれているということは、私の炎上事件に相当非を感じているということだ。
だとすれば、もうすぐ始まる配信でも彼女は私の"ぽんこつ"に対して触れないはず。
ならば、それを利用するまで!
要は、私はこの配信で、自分がぽんこつである、と主張する。先程の理論が正しいなら、それにざえは首を突っ込んでこないだろう。
たとえ私が、自分は"ぽんこつ"であると主張するためにざえを貶めたとしても。
謝罪なんて必要ないのだ。
ざえは何も悪くない。他人を貶めて自分が人気を得るのは、配信者の行動として立派な一つの手段だ。
だが、他人を貶める人間は、自分もまた貶められる事を覚悟しなければならない。
「じゃあ、はいしんひらくよー」
待機画面を切り替えて、ざえとあられの2Dモデルを表示させる。
さあ、七歩之才! この私に手を出してただで済むと思うなよ!!
マイクをオンにして、いよいよ私の報復が始まった。
反撃開始だ!!!
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