#4.ノイズは後に竜巻を起こす
前回までのあらすじ。
配信を切り忘れて意図的に神回を作ろうとしたあられだが、まさかの電話が鳴るというハプニング。
想定外の事故にピンチに晒されるあられ。どうやってこのピンチを切り抜けるのか!!
それでは本編どうぞ
プルルルルル
その予想だにしなかったノイズに、ほんの一瞬思考が停止した。が、すぐに脳を正常運転へ移行させ状況を整理する。
放送事故。
それは様々な偶然や神のいたずらが交差することで稀に起こる事象であり、多様なパターンや形式が存在する。例えば、先程私が行ったミュート芸や配信の切り忘れ等もこれの一種である。
この事象の最大の特徴は、偶発性である。
ハプニングには数多の状況とその場の何気ない行動、はたまた全く自身と関係していないものから偶発的に生じるものであり、予測するのはほぼ不可能。
さらに今回のハプニングは"配信中に電話が鳴る"というごく稀に起こるマイナーなハプニング。
無論、"配信中に電話が鳴る"ハプニングをピンポイントで対策するのなら、スマホをマナーモードにするなどで簡単に対策できる。だがしかし、そんな小さなハプニングを全て対策するというのは容易ではない。数々の場面と状況を想定して対策、想定し対策、想定し対策……
不可能である!
幾ら私でさえも予測し利用できるのはメジャーなハプニング……マイナーで利用価値の乏しいハプニングなどに脳や時間を割く余裕などない。
──と、思っていたのだ。
しかし、私は今このマイナーで利用価値の乏しいハプニングに追い詰められている。
元々、配信というものはリアルタイムで進行するためVTuberには即興の対応力が求められ、それにはハプニングへの迅速な判断と対応も要求される。
問題への対応力は、その問題に遭遇する前にどれだけ綿密に正確に想定したかによって大方決定する。つまり、私が切り捨てた"マイナーハプニングの対策"は、配信中での"マイナーハプニングへの対応力"を大幅に下げることとなってしまったのだ。
……くっ、想定不可能と大雑把に切り捨てるのではなく、出来る範囲でも想定&対策をしておくのが最適解だった! これは私の落ち度……!
いやしかし、私は日本で1番の頭脳を持つ天才。焦るより足掻く、頭を回す。
現在はとても不味い状況。
着信音が配信に乗り、電話自体を無かったことにするのは不可能。電話には確実に出なければならない。
するとここからの行動は2つ。
1つ目、素の状態で電話に出る。
これだと配信での私のぽんこつが演技だとバレてしまう。なので行うとしたら配信を終了してから。
しかし電話が鳴った瞬間に配信を切るのは少し不自然であり、わざと切り忘れたのだと知られてしまう可能性がある。
2つ目、ぽんこつの状態で電話に出る。
私の両親はもう既に他界しており、幸いにも私の連絡先を知っている人はおじとおば、そして中学からの友達1人だけである。
なのでその3人に恥を晒すことに目を瞑れば、よりぽんこつリアリティを醸しつつ自然に対処することが出来る。ただし、おじやおばはかなり礼儀に厳しいタイプなので雷が落ちるかも。それでも強引にぽんこつキャラを続ければ、彼らに貸してもらっているこの家を追い出されることになるかもしれない。
つまり、どちらもそれ相応のリスクを伴う為、最適解では無い。それに、この2つ目の選択肢には1つの懸念が残る……
故に、私が取る選択は3つ目!!!
「あわわわ! ボタンまちがえて電話切っちゃったー!!」
必殺・ぽんこつすぎて電話切っちゃった☆!!
***
第四話読了ありがとうございます!
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