#36.歯車が歪む
「ところで素数ってなにぃ〜?」
教養も尊厳もない醜い豚が阿呆なことを言う。
「素数と言うのは、1とその数以外に約数の存在しない数です。例えば3。3は1と3以外に約数を持たないので──」
「あ゛ぁー……やっぱりいいや〜」
「……学習意欲のない駄目人間」
「えぇ!? ざえちゃんさっきから毒舌過ぎない!? 緊張してた可愛いざえちゃんはどこにぃ〜!!」
コメント
:草
:酷い言われようで草
:VTuberに正論は効果抜群だぞw
:きうい姉の尊厳地に落ちるの早くない?w
「ほんとだよお!! 君達だけだよぉこんなに早く対応が雑になるの!!! 今を時めく人気VTuber様なんだぞもっと敬えぇい〜!!!」
コメント
:草
:キレたwww
:今をときめくVTuber……嘘は言ってない筈なんだがな……
:きうい姉見限りRTAできるかもなwww
:草
:プライベートで関わりたくないVTuberランキング1位だからなw
「今を時めく人気VTuber様酒臭いです。大声出さないでください」
「画面越しなのにぃ!?」
コメント
:臭
:臭
:き酒臭
:言われちゃったねw
:俺らも薄々思ってた
:臭
:くっせぇですわ
や、やばい。ざえが勢いづき過ぎて私の入る所がない! さっきのざえと立場が逆転している!
このままでは私の視聴者を二人に分け与えることになる。
ので、どうにか入れる余地のある所を探したいが。
「ざえちゃん、その素数ってやつー全部覚えてるのー? 大変じゃない?」
「いえ、多少は覚えていますが全部は不可能です。ですが、結局は素数の判別自体はその数字未満の素数で割れなければ良いので、時間さえあれば求めることも──」
「んにゃあーそうなんだぁー私にゃ真似出来ないなぁ〜……あられちゃんは出来たりする〜? まあ出来ないだろうけどぉー」
! 予想外な所からパスが来た。少々雑ではあるが、会話に入るチャンスだ。
「い、いえますよー!! 丸のやつとか!!!」
「うっそだぁ〜」
「丸? 円周率のことですか?」
コメント
:お!
:なんだと!?
:あられが言えるわけないって〜(フリ)
:丸のやつwww
:円を丸と言っている時点で……
まぁ、昔数字の並びを覚えるのにハマって本当に100桁位は言えたりするのだが……それではぽんこつに相応しくないので、わざと適当な数字をランダムに思い浮かべる。
「1.123581321345589144233……」
「え!? まじぃ!? すっごぉ!!!!」
コメント
:えぐ!?w
:え!?
:いやこれ円周率じゃないwww
:!?
:これ違うだろw
:スラスラ数字言いすぎて一瞬騙されかけたわw
:1から始まってる時点で草
:適当に言ってるだけかびびったぁw
:数字を高速で唱える才能
:きうい姉騙されるなwww
:義務教育の敗北……
ふふん。きうい姉は論外として、適当な数字を高速で詠唱するなど、私にとっては造作もないことなのだ。
なんて呑気に鼻を伸ばしていたことを、私は後悔することになった。
全ては、彼女の発言によって。
「…………フィボナッチ数列……?」
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***
第三十六話読了ありがとうございます!
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