#33.オートに挟まれる
これは、ギャップを狙った戦略などではない。単なる緊張である!!!
よくよく考えてみれば、普通はこんな大手VTuberがサプライズゲストで登場すれば、緊張するに決まっている。
私は初コラボ時は闘争心マシマシで挑んだが、誰もがそんな対応を取れる訳では無い。というか、緊張してタジタジになる人が殆どだろう。
何なら、逐一配信の出来を見積もって、配信を盛り上げる最適解を常に思索しているVTuberなど私や人気VTuberの一部くらいのはず。
皆が皆キャラクターを作って勝負している訳では無いし、取り繕うことなく素でブレイクするVTuberも数多く存在する。きっと七歩之 才──彼女もその1人だったのだろう。
"天才"という言葉から無意識に、彼女は私と同じ思考をするものだと思い込んでいたが、きっとそこまで彼女は考えていない。
だとすると、コラボの誘いもネタ切れや戦略などではなく、単なる興味だったのだろうか。
……なんか深読みしていた自分が恥ずかしくなってきた。
相手を見極めるだとか何だとか……ああも偉そうな口を叩いていたけれど、そんなのこの数時間でわかるものではないし……まず上から目線だし……なんか変にライバル意識持っちゃった! あぁ、恥ずかしいっ!!
……まあ、とにかくこのコラボにここまで警戒する必要はなかったということだ。
配信タイトル通り"ぽんこつVS天才"で戦う気満々であった。が、もうその必要はないだろうし、逆にこの配信を盛り上げるのに神経を注ぐべきである。
「ざえちゃん、緊張しなくてだいじょうぶだよー! ただのアル中だからー」
「は、はい。申し訳ありません」
コメント
:まあ緊張するよねーw
:あられが特殊なだけwww
:アル中呼び草
:もうキウイ姉の尊厳はないんだね
しかし、七歩之 才──何を考えているかいまいち掴めない。というか、普段の配信では淡々と話している姿しか映っていなかったので、緊張するとここまでたじろぐものなのだろうか。
何かが、引っかかる……
あれ? そういえばアル中呼びにきうい姉が突っ込んでこないような……
「あれ? きういさんー? しずかですけどどうかしましたー?」
「……られ……ちゃん」
「え? なんていいました?」
何かもがき苦しんでいるような、何かを我慢しているような。
「……やば……う……もう、む……り゛」
「だ、だいじょうぶですか──」
ざえが心配の声を上げた瞬間、きうい姉はやってしまった。
「おろろろろろろろろろろろろろろろろ!!!!!!!!!!」
「えぇえぇえぇ!?!?」
コメント
:!?
:吐いた!?!?
:まじ!?w
:えぐwww
:草
:やっばwww
:は?w
:草
:アイドル?
は……は、吐いた……?
配信で、? 生配信で……ミュートもせずに……しかも私の配信枠で!?
有り得ない!!! イカれてる!!!!!
というか(動画配信サイト利用規約的に)大丈夫!?!? コレ!!
とりあえずきうい姉の音声をミュートにして……いやもう遅いか……というか配信を盛り上げるのに神経を注ぐとは言ったけれど、これはちょっとライン越えでは!?!?
「……あられさん。私も緊張で、なんか気分が……」
なんか嫌な予感が。
「え!? ちょっと待って──」
「う、おろろろろろろろろろろろろろろろろ!!!!!!!!!!」
コメント
:草草草
:やばすぎwwwww
:ざえちゃん!?!?
:世紀末すぎるwwww
:草
:天才からのキャラ崩壊えぐくね?www
:これチャンネル大丈夫か?wwwww
:紛うことなき神回www
:汚ねえwwww
:あられたんがまたもや不憫にwww
う、嘘でしょ……?
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第三十三話読了ありがとうございます!
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