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#30.七歩之才は見極めたい

 

 1人で住むには広すぎる屋敷の一室で、私はPCに映る自分のチャンネルをまじまじと見つめていた。


 七歩之 才。

 昨今話題のキラキラネームとはまた違うベクトルの異常な本名であるが、特に気にしていない。活動の名前を決めるのがスムーズで有難いとすら思える。


 そう、私はそんな定数的なものには興味を示さない。


 女なのにこんな名前を付けるような親も、ジェンダーなどとかこつけて私の名前を称賛するようなクラスメイトAも興味はない。


 PCを操作してまた別のチャンネルを開く。


 今私が興味を示しているのは、彼女だ。


 そのチャンネルの配信を開くと、白髪の彼女が可愛らしい声で元気よく話し出す。


 甘姫 あられさん。


 私とほぼ同時期にデビューしたにもかかわらず、その強烈なキャラクターと話題を呼ぶ配信で人気が急上昇し、直近ではVTuber界"四強"の1人、星乃 ルナから人気VTuber事務所"ライバース"への勧誘を受けたらしい。


 そんな話題性の権化と言えそうな彼女だが、私が惹かれるのはそんな表面的な所ではない。


 彼女は、ぽんこつだ。


 初めて彼女の初配信を見た時、身体に電流が走ったような感覚がしたのを覚えている。親の英才教育で幼少期をアメリカで過ごし、日本に戻ってきてからは小中高と私立お嬢様進学校、そこで出会う人達は誰もが裕福で優秀で、この世にはそんな人が大抵を占めると思っていた。


 が、造作もないことで失敗し、それを学習せず何度も失敗を繰り返し、その度喚き嘆く彼女。

 そして、そんな駄目人間であるにもかかわらず、沢山の人を魅了しファンに取り込むその圧倒的カリスマ性。


 彼女は私にとって未知の生命体。


 どうして、どうやって、何をして生きていればあんな特異なVTuberが誕生するのか。


 彼女をもっと知りたい。もっと観察したい。もっと理解(わか)りたい。


 彼女からの返信を思い出しながら、待ちきれず体がウズウズする。


 彼女を知って、解析して、あわよくば吸収したい。


 コラボとは闘い。

 ぽんこつの彼女はきっと知らないだろうが、コラボとはお互いのファンを賭けて奪い合う戦。

 相手が今急上昇中のVTuberである以上、本気で喰らいにいくのが最も効率的であるし、そして面白そうだ。


 私が、彼女──甘姫 あられを見極めるのだ。


 ふと、ある1つの仮定がひらめく。

 もし、彼女の行動が全て本当(リアル)ではなく(フィクション)だとしたら……全てを計算して実行しているとしたら、全ての辻褄が合う。


「……まさかね」


 デタラメな仮定が、空間に吸い込まれるように溶けて消えていった。



 そして、来たる5月5日──


思考が似ているような……

***

第三十話読了ありがとうございます!


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