表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/188

#3.切り忘れは神回の十分条件である

 

「みんなー、きょうはありがとうございましたー! またねーおつあられー」


 コメント

 :おつあられー

 :おつあられー!

 :おつあられー!

 :楽しかったよーおつー

 :配信切り忘れんなよー?w

 :おつあられー


「ちょっとー! さすがにあられでも切り忘れはしないよー!」


 ──否!!! 勿論切り忘れる!!!


 配信の切り忘れ。

 それは全VTuberが恐れる最大級の放送事故のひとつ。個人情報流出など当たり前、配信中に被っていた化けの皮が剥がれ、少しでも過激な発言をしたが最後、大炎上を巻き起こしそのまま引退……なんて話も有り得ないことではない。


 ただし、それは()の側面。

 コインに表と裏があるように、切り忘れという事象にも表と裏──つまり莫大なデメリットと同等、いや、それに勝るメリットが存在する!


 それは、もはや言うのも野暮……神回の降臨である!


 配信の切り忘れとは、今まで皮を被っていたVTuber達の素顔を見られる、またとないチャンス。そのリスクゆえ滅多に起こらない事象に立ち会った人間は、『うわぁ! この伝説を俺が見届けなくちゃ!』という謎の使命感に襲われ、配信画面にしがみつく。


 今まで人気のなかった清楚系VTuberが配信を切り忘れて、堕落した素の側面が全世界に晒されたことで、一晩で超有名VTuberに上り詰めた、なんて話もあるくらいだ。


 切り忘れには、(ドリーム)がある。


 そして、それをすべきはこの1番注目される初配信時!

 同時接続数は配信前から増えて202人。

 不足はない。いける。


「じゃあみんなー、おつあられー」


 コメント

 :おつあられー

 :楽しかったよありがとうー

 :推しになりました! 頑張って下さい!

 :おつー

 :おつあられー

 :おつー




 :ん?

 :おっ

 :長くね?

 :初めてだから終わるの手こずってるのか?

 :ん?

 :切り忘れ?

 :言ったそばからw

 :さすがにそれは草

 :神回きちゃ?

 :おつあられー




 :やっぱり切り忘れじゃね?

 :声聞こえないな

 :BGM流れたまんまー

 :大丈夫?


 ガタガタッ ズサッ


 :生活音助かるー

 :助かる

 :助かる

 :初配信で切り忘れかぁーwww

 :ま?w

 :草

 :助かる〜

 :草

 :草



「うわあああああああああああああん!!!!」


 :!?

 :何事!?

 :!?

 :どうした!?

 :ふぁ!?

 :びっくりした!!

 :!?

 :!?



「またミスしちゃった……絶対やっちゃいけなかったのにー……」



 :ガチ切り忘れか

 :現在進行形でミスってます

 :今来た

 :あー

 :神回と聞いて

 :発狂草

 :気にしてたんだね……

 :切り忘れてるよー!

 :この娘は上がってくる気がする……そんな気がするぞ……!



「……でも……はじめての配信、たのしかったな……えへへ」



 :可愛い!!!

 :かわよ!!!!

 :ええ子や……

 :ジーン……これはおじさんの心に響いちゃう……!

 :えへへかわよ

 :えへへの破壊力エグすぎ

 :素でこれってマ? 推すわ

 :神回!!!!

 :気づけーー!!

 :草



 す、すごい。見る見るうちに同接数が増えていく。1000の大台は軽く突破し、今や3000人超が私の切り忘れを見守っている。

 分かっていたとはいえ恐ろしい兵器……!


 さ、後は様子を見て切り忘れに気づいたリアクションを取って焦って配信を閉じるだけ。

 これで私の初配信は無事大成功を納め──


 プルルルルルル


 その時、目の前のスマホが鳴った。


***

第三話読了ありがとうございます!


・面白いっっっ!!

・はやく続き読みてぇぇぇ!!


と感じましたら、良ければブックマーク登録、感想、評価★★★★★よろしくお願いします!!

面白くなければ、★☆☆☆☆でも構いません!!


あなたの意見を聞かせてください!お願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ