#21.そこにはきっとなにかがある
ライバースに入りませんか……バースに入りませんか……入りませんか……ませんか……んか……
想定外も想定外の一言を脳内で反復させる。
生配信中に社長直々のスカウト……こんなこと、きっとライバース史上……いや、VTuber史上初なのではなかろうか!!!
まさか私が……あのライバースに……!?
──いや落ち着こう。
そんな虫の良い話なんてあるわけない。大体、活動1ヶ月で10万人のファンを獲得し、大物VTuberとコラボ出来てる時点で夢みたいなものなのだ。それに加えてレジェンドと対談&スカウト……!?
これは夢? いや天国!? 私死んだのか!?
いや落ち着け!
なにか裏があるかもしれないのだ。まずは色々と話を聞かないと。
「それにしても、いったいどうして……」
「至って単純な理由よ。あなたはこれからもっと人気が出て、愛されて、いずれVTuberを代表する看板的存在になる……そう確信したの。そんな逸材……スカウトしないわけにはいかないでしょう!」
人気……逸材……看板……!?!?
私が……VTuberを代表する……看板……!!!!!
いやいやいやいや! こんなことで浮かれては──いやレジェンドにこんなこと言われたら浮かれちゃうでしょ!!!
って誰に怒ってんのよ私っ!!
「も、もったいないおことばぁー……」
「ルナっちにここまで言わせるってあられちゃんすごいねー! あぁ、ちなみに私もー? あられちゃんならーこれから大活躍するーって思ってたよー!!」
「うぅ、言葉のおもさがちがうぅー……」
「ひどいっ!! んもぉーうヤケ酒だぁー!!」
「職務中の飲酒行為は厳禁よ? きうい」
「うええええ私のアイデンティティがぁーー!!!!!」
コメント
:草
:草
:きうい姉の威厳0www
:酒カス瀕死の危機www
:草
:スカウトエグイなw
:あられちゃんの才能が見つかってしまったー
:草
:さすがにまだ古参でいいよね?
「あられさん、それでライバースのことだけど」
「あ! あの、すこしかんがえさせてください……まだ心のせいりが……」
「……うん、そうよね。前向きに検討してくれることを祈っているわ」
ライバースは数あるVTuber事務所の中でも一二を争う人気事務所で、現在は4人組として1期生から6期生までが活動している総勢24人の大規模グループである。
基本的にメンバーはオーディションで募集するらしいのだが、最新の6期生のオーディションでは合格倍率はなんとおよそ1500倍。総勢6000人近くがライバースに入るのを夢見て応募したことになる。
それもそのはず、最近デビューした6期生を除くライバースのメンバーは全員漏れなくチャンネル登録者数100万人を達成しており、最早ライバースに加入するだけでVTuberとしての成功が約束される、と言っても過言ではない。
きっと、VTuberを志す女性は誰もが一度は憧れるだろうし、勿論私も例外ではない。流石に倍率1500倍の壁を超えるよりも個人で人気になる方が簡単で手っ取り早いだろう、と早々に路線を変更したが。
私の大きな目標は、VTuber界を牽引するVTuberになること。だから、こんな美味しい話を断る理由など毛頭ない。はずなのだが……
「じゃあ、そろそろ配信あるからー! また話そーねー! あられちゃーん!」
「またね。あられさん」
「ふぁ、ふぁい! 本日はありがとうございましたぁ!」
このモヤモヤは、何なのだろうか。
現在の登録者数:132,483人(522人up⤴︎︎︎)
***
第二十一話読了ありがとうございます!
・面白いっっっ!!
・はやく続き読みてぇぇぇ!!
と感じましたら、良ければブックマーク登録、感想、評価★★★★★よろしくお願いします!!
面白くなければ、★☆☆☆☆でも構いません!!
また、特にお気に入りのエピソードに《いいね》して頂けると、分析時や今後の方針を決める時にとても助かります!!
あなたの意見を聞かせてください!お願いします!!




