#18.頂上は遠い
「はいどうもー改めましてライバース4期生の鬼透きういでーす! きういお姉さんって気軽に呼んでねー! じゃあ今日は初コラボ&めでたい配信ってことで、色々あられちゃんと話していけたらいいなーって思ってるよー」
「よろしくおねがいします!」
コメント
:うおおー!!!
:雑談じゃー
:初見です
:楽しくなるぞー!
:うちのきうい姉がお世話になります
きういが参戦してから同接数は急増し、現在は約1万人がこの配信を視聴している。
記念配信とはいえ、いつもの私の10倍を超える数値。彼女が登場してからこの短時間でここまで影響力があるのは流石である。
「よろー、あられちゃーんまずは10万人おめでとー! 今の感想はー?」
「はい! きういさんとはなせてすごーく嬉しいですー!」
「いやいやそっち!? 10万人の感想を聞いたつもりだったんだけどなーあはは」
「にゃっ!? す、すみませんー!」
コメント
:かわいい
:あられちゃんはきうい姉のこと好きなの?
:にゃwww
:かわいい~
:にゃあ〜
「いいのいいの〜そういう事言ってくれると、お姉さん嬉しくなっちゃうからさー……あー、褒められるとなんか無性に酒の口になってきた〜」
コメント
:出たw
:草
:いつもだろw
:流石はライバース1のアルコール中毒者w
:コラボ中に酒飲もうとすなw
:草
:こりゃあられちゃん大変だ
「鮭……? おなかすいたんですか?」
「はっはー! なんて古典的なギャグを〜! もうお姉さん一杯飲んじゃおー……プシュ」
コメント
:だめだ……ツッコミが居ない……
:ツッコミ不在やんけ
:ぽんこつVSアル中
:プシュっとするなwww
:草
:おもろすぎw
「それにしても噂に違わぬぽんこつぶりだねーあられちゃーん、濃厚だよぉ〜」
「濃厚って……それはぽんこつじゃなくてとんこつですよ!」
「え? いやそういうつもりは……」
「えぇ!?」
コメント
:草
:草
:ツッコミ不発www
:空回り草
:頑張ってるなw
:がははもっとやれwww
:草
:急に素に戻るきうい姉すこw
:あられちゃん不憫www
一見は戦えているように思えるが……鬼透きうい、流石はトップVTuberと言うべきか。
テンポ感、語彙、流れ、世界観、全てが一流。そして背に感じるこの重圧感! 彼女と対面してから進む時間がとてつもなく長く感じる。まだ3分しか経っていないというのに、同接数はもう2万人を超えた。
……いや、数値ばかり気にしていても仕方ない。この展開される神速トークに食らいつきながら、どうにか私自身をアピールしないと……!
それから約10分が経過した。その10分の主な内容は雑談。ただただお互いに話題を振っては振られの繰り返し。
そして、その10分で私は理解した。彼女と私の、埋められない力量の差を。
スピーディーなトーク、面白い話のストック、溢れ出るキャラの魅力、的確にコメントを拾い上げる判断力。まるで全てのステータスがカンストしているなろう系主人公と対峙しているかのような、そんな感覚だ。
雑談とは話術だけで戦う、いわば正面衝突の殴り合い。何よりも基礎ステータスが面白さと直結すると言っていいだろう。
この10分間、私は彼女について行くのに精一杯で、振り回されてばかり。コメントも私へではなくきういへのものが殆ど。要するに……私は彼女にまんまと"喰われた"というわけだ。
現在視聴している5万人のリスナーは、きっと殆どがきうい目当てで見ているのだろう。
この配信モンスターには、勝てない。
……でも、こんなんじゃ嫌だ!
確かに、配信者としての基礎ステータスは彼女が何倍も上。だが、せめてひと噛みくらいは──爪痕くらいは残さないと気が済まない。
一度限りの奇襲。殴り合いと見せかけての飛び道具。
私は画面上のあるボタンを押した。
現在の登録者数:126,053人(2,932人up⤴︎︎︎)
さあ、反撃の時間だ。
***
第十八話読了ありがとうございます!
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