#---.天才は電脳世界で配信する
「あ……あー……」
PCの青白い光を浴びながら、使い古したマイク(オーディオテクニカルAT800──近場の電気屋で購入¥11,999)に向かって声を出す。
待機画面に寄せられたコメントを眺めながら、ウキウキして水を1杯。
私は天才少女、霰姫 天。VTuber事務所"ゆにばーす"のリーダーで──と、自己紹介は簡潔に、ダラダラしてるとすぐに配信を閉じられる。要は天才! リーダー!これだけで十分だ。
首を捻ると、それとリンクして動く電脳世界の少女。
彼女の名前は甘姫 あられ、命名は安直、私の名前を反対にしただけである。
彼女の纏う衣装は、その幼い容姿には少し見合わない新衣装のスーツ姿。ある程度の装飾を施しているとはいえ、着せられてる感はどうしても拭えない。リスナーによるとそこが良いらしいが。
その不格好なスーツに反して、髪型は知人の美容師ライバーにデザインを担当してもらった為、とてもお気に入りである。
そんな娘──甘姫あられの最大の特徴。
それは──
"ぽんこつ"
である!!!!!!
そもそもVTuberとは、主に声に自信のある人達が電脳世界を通じて自身を発信し、色々な手法でファンを獲得し人気を集める、そんな人達のことを総称して言う。
彼彼女らは一時期の莫大な注目とブームに乗って次々と出現。そのバラエティー性は非常に高く、アイドルとして活動する者から酒を浴びる者、天才からただの馬鹿、はたまたVTuber活動と両立して社長業を営んだ者まで存在し……今やVTuber飽和時代となった。
VTuber飽和時代となった今現在、下手な思いつきや準備不足のキャラ設定では簡単に埋もれてしまう。つまり、この時代を生き残るには、徹底した下準備、業界の分析、綿密なキャラクター設定などなど数多の知識工夫が必要になる! そして、──これらから導き出される最適解!
それこそが"ぽんこつ"だったのである!
「さぁ……今日はどんな撮れ高を生み出そうかしら」
2024年3月24日。あの日から始まったVTuber甘姫 あられの伝説は今日まで続き、そしてこれからも続いていく──!
「あ、あー……! 皆こんあられー!」
「きょうはー、ゆるゆるっと雑談しようかなーっておもってます!」
「……」
「あれ? みんな、きこえてる?」
コメント
:ミュート?
:音ない
:聞こえないよー
:ミュートだぞwww
:草
:草草草
:成長しないなwww
:初配信から何も変わってない(良い意味)
:草
私は慣れた手つきでマイクボタンをクリックし、ミュートボタンを解除する。
「えー! きをとりなおしてこんあられー!! 今日するのはぁ──」
VTuberの頂点を目指して。
甘姫 あられの伝説は、これからも続いていくのだ。
おしまい
最終話までご読了下さり本当にありがとうございました!!!
本当は10万文字で終わらせるつもりだったのに、、、執筆が楽しくて長引かせてしまいました、!
そして、ここまで長引いてしまったこの作品をここまで読んで下さったあなたに、最大限の感謝を伝えたい! 本当にありがとうございました!!! 楽しんで頂けたのなら、それはもう感無量でございます……!
霰姫 あま──もしくは甘姫 あられの一つの人生におきまして、疑問でも何でも思いついた際には是非感想の欄でお聞かせください!! また、この物語の率直な感想も心待ちにしております!! 是非! 是非!! 是非!!!!
以上、長文になりましたが、改めてこの作品をご読了頂き、誠にありがとうございました!!!
作者でした。
下記はいつもの。
・面白いっっっ!!
・面白ぉぉいっっっっ!!
と感じましたら、良ければブックマーク登録、感想(これ重要)、評価★★★★★よろしくお願いします!!
よろしくお願いします!!(大事なことなので2回言いました)




