#165.甘姫 あられは色をえがく
YouTubeのコンテンツなど、所詮十数年の歴史しかない。
この世には、それよりも幅広く、人の興味を唆るものが存在する。
それは一体何か?
この長ったるい説明を聞いてくれているあなたに問うわ。何か思い当たるものはある?
ヒントは、どんな人にも身近に存在するもの。あまりに身近すぎて気づかないかもしれない。
その答えを知る前に……まず需要を理解しておくべきかもしれない。
"ぽんこつ"系VTuberをやっていて何だが、今の視聴者達が新たに求めるとしたら……それは"知識"だ。
視聴者層も昔とは一変し、今やベテラン社会人から初々しい高校生にまで低年齢化した。
近年の若者は、探究心が強い傾向がある。いや、近年というかずっとそうかもしれない。
人生を多く歩んできて、ある程度のことは知っている、と高を括る人が多いベテラン層よりも、これからの未来が輝いて見える若者層の方が、知的好奇心は遥かに高いだろう。
だが、その好奇心の裏には未来への期待と、勿論莫大な不安がある。
生まれつき自分の立ち位置が決定している近代社会から抜け出して、自由が謳われるようになった現代社会で、若者は自分の走る方向を見失って困惑することが多くなった。
だからこそ、彼彼女らは自分の道筋を示してくれる"知識"に、より好奇心をよせる。
ザ・VTuberチックにわざわざ露骨な狂気に振り切らなくても、若者の興味を唆る素材は社会のあちこちに散らばっている、という訳だ。
そう、つまり問いの答えは……
仕事である!!!!
え? ピンと来ないって? 安心して、天才であるこの私が分かりやすく説明してあげるから。
YouTubeの……いや、ネットワークの歴史すら、ここ数十年に収まる話だ。それらが目覚しい進歩を遂げて来たことを加味しても、仕事の領域には全く届かない。
仕事とは、はるか昔の太古から存在し、現代まで絶えず進化を遂げてきた……その至る所には、長い年月をかけて生み出された凄まじい工夫と技術が散りばめられている!
それを目の前にして、知りたいと思わない人など存在しない!!!
もし想像出来ないのなら、具体的な例を挙げて差し上げよう。
例えばゲーム制作会社の日常。
彼らは普段どんなことを考えて、どのように名作を生み出しているのか。
あるいはファッションデザイナーの感性。
衣服の制作過程は一体どうなっているのか。
他にも研究者の実験から、弁護士の法律知識、塾講師や学校の先生のあるあるまで……
どう? 知りたくなってきたでしょう? ワクワクしてきたでしょう?
そしてあわよくば……まだ自分の将来を決めあぐねている若者にこの活動が届いてくれたなら──自分の興味のある職種を見つける、ささやかなお手伝いになるかもしれない。
少し話が逸れたが、詰まるところ、誰かの役に立つ為、社会を回す為、世界をより良くするために生まれた"仕事"という存在は、この世のどんなものよりも魅力的なのである!!!
そう、私の"色"はコレだ。
これは、VTuber出現時にはおそらく成功しなかったプロジェクト。
このVTuber飽和時代だからこそ。
これまでのライバー達が血の滲む努力をして、VTuberへの人気が格段に上昇したからこそ。
VTuberに興味を持つ人達が、VTuberになりたいと思う人達が沢山現れたからこそ。
成し遂げられるプロジェクト。
「様々な"仕事"の面白い所、辛い所、魅力、グチ、そして知識──それらをVTuberという媒体を駆使して若者に伝え、彼彼女らの未来を支える手助けをする!!!
それが私の描く"色"です!!!!!」
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第百六十五話読了ありがとうございます!
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