#152.投票結果は明かされる
「じゅ、じゅんびは良いですか……あられさん……!!!」
「もちろんです! ドンときてください……!!」
対面で一人、スマホ片手にプルプルと震える柏木マネージャーに、私は胸を叩いてその覚悟を見せる。
「うわぁ〜緊張するねぇ」
と全く緊張していなさそうな声を上げるきうい姉に。
「さ、さすがに……一位は無理ですよぉ……」
と弱気になっているすぴかが、私の両隣に座っている。
時刻は午前10時5分。
昨夜のライバースサマーフェスの人気投票の結果は、今日の午前10時に発表される。
そう、つまり、マネージャーの持っているスマホにはもう、人気投票の結果が記されたPDFが入っているのだ。
勿論この柏木マネージャーは、私が人気投票1位を取らなければライバースを追い出されることを知っている。
彼女からしてみれば、折角手に入れたマネージャーという重要職を1ヶ月で失うことになる訳で。
その落書きみたいな表情と震える体から、どれだけ緊張しているかよく分かる。
「柏木さん……70話ぶりの登場だからって、ハデに"ぽんこつ"かまさないでくださいよ?」
「わ、分かってます! ちゃんと読み上げます! えぇっとぉ……翌朝あられちゃんに寝起き突撃するので、部屋の鍵貸して下さい……」
「うぉいちょっとぉ!? それは私が昨日送ったメッセージだよぉ〜!?!?」
「柏木さん、いったん深呼吸しましょう!……あときういさん、右頬をぶたれるじゅんびをしておいてください」
「まってあられちゃん!! 話せば分かる!!!」
「ヘンタイとはなしあう時間なんてありません。それより柏木さん、ホントにたのみますよ!」
「あ、はい。それは大丈夫です! 緊張はしてますけど、さっきのはわざとですから!!」
「わざと!? 今わざとって言った!? ねぇどういうこと柏木ちゃん!! 私の右頬どうしてくれるの!? ねぇぇ──ぐふぉっ!!」
取り敢えずきうい姉の右頬を叩いて彼女を黙らせると、私もマネージャーと一緒に深呼吸する。
「ひ、ひぇぇ……!」
すると、私の隣で一人震え上がるすぴかが小さく悲鳴を上げた。
「すぴかさんはこわがらなくてだいじょうぶですよー! 私、ちゃんとしてる人にはやさしいですからー」
「……う、ぃ、スーっ……こわ……」
「ん? いまなにか言いましたー?」
「ひぃっ……!!」
すぴかの準備も整ったところで、床で倒れているきうい姉を除く私達三人は目を合わせる。
「じゃあ……発表しますよっ!!!」
「はいっ! おねがいします!!」
ライバースの投票結果はライバーのやる気を下げたり、リスナー同士の争いを生まないために、票数の多かった三グループのみが発表される。
「柏木さん、もうドンと1位発表しちゃってください!」
「わ、分かりました……じゃあ行きますよっ……い、一位はっ……!!!」
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