表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
160/188

#146.月は星々より近く

1300ptありがとうございます!!!!

 

 ライブの主役はいつだって、そのステージに立つ演者だ。

 決して裏方にその役柄が回ってくることは無い。

 とどのつまりは、どれだけ私が演出を考えようが培った技術を駆使しようが、それらはステージ上ではたかが脇役──いや、主役が扱う一種の小道具にしかなり得ないのだ。


 勿論、下準備の大切さは理解している。

 だが、結果に直接影響を与えるのは、いつだってその道具を使う演者だ。


 だから、ルナの演出がどれだけ奇抜であっても、一曲目が人気オリジナル楽曲であっても、それらは勝負を決める決定的な根拠にはなり得ない。


 つまり、本当の勝負はここから、なのである。


 星乃 ルナのカリスマ性から放たれる、凄まじいオーラ。

 私も幾度となくこの身で体感した。

 一回目はきうい姉とのコラボ中。二回目はラナンキュラス本社で。そして、このライブに向けて彼女を研究する過程で、画面越しに何度もそのオーラを浴びた。


 しかし今や、私の中での星乃 ルナのオーラは、圧倒的なものではなくなっている。

 星乃 ルナを超える逸材が、現れたからである。


 火火(ピカ) すぴか。彼女はルナでさえも遠く及ばない、究極の領域に既に達している。


 カリスマ性の側面では、すぴかの圧勝。これはルナとの勝負において、大きなアドバンテージとなっていた。


 が、その認識は間違っている、と今この場で思い知らされた。


 ルナの3Dステージ上のCG演出。かなりお粗末だ。

 必要最低限のものしか整っておらず、特に目立った所も見られない。


 スマホ画面と巨大スクリーンとを見比べてみると、彼女の動きが手元と奥とでリンクしていることが分かる。

 恐らく、スマホとスクリーンを同期させる上で、あまりにデータ量の多いものは使用出来なかったのだろう。


 だが、問題はそこでは無い。そう、このCG演出も、ステージ上では小道具でしかないのだ。

 こんなものは、演者の実力次第でどうとでも可能。


 そんな私の考えに同意するかのように、ルナは右腕を大きく横に振り動かす。


 その瞬間だ。

 これは幻覚か、右腕から膨大な数の"キラキラ"が流星のように飛び立っていく。


 カリスマ性から放たれるオーラというものは、単なる大きさが全てではない。

 単純な数値ならば、すぴかが圧倒している。が、ルナの場合は()()がえげつない。


 天性の才能とそれに追従する凄まじい努力、そして過酷な環境を生き抜いてきた経験から、ルナの練度はある種の──すぴかが辿り着いたものとはまた別の、究極の領域に到達している!


 そこにまで歩を進めれば……後は簡単である。

 超大物芸能人のオーラに当てられて、涙が出てきてしまうように。魔性の女のオーラに化かされて、目にフィルターがかかったが如く、より一層可愛く見えてしまうように。


 究極の領域に足を踏み入れた者は、人の精神に関与することが出来るようになる。


 私が見た景色は、夜空に浮かぶ月だった。

 月の後ろに流れる流星。輝く星々。 だが、私達の一番近くで大きく明るく光っていたのは……恐怖を覚えるほどに美しい満月。


 そう、この瞬間。

 私はライバルであるはずの星乃 ルナに、魅了されてしまったのである。


 現在の登録者数:549,651人(19人up⤴︎︎︎)


***

第百四十六話読了ありがとうございます!


・面白いっっっ!!

・はやく続き読みてぇぇぇ!!


と感じましたら、良ければブックマーク登録、感想、評価★★★★★よろしくお願いします!!

面白くなければ、★☆☆☆☆でも構いません!!


また、特にお気に入りのエピソードに《いいね》して頂けると、分析時や今後の方針を決める時にとても助かります!!


あなたの意見を聞かせてください!お願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ