#118.観てくれるあなたに神回を
「ありがとうございましたー!!」
『ウワァァァァァ!!!!!』
コメント
:うわぁあ!!
:うめぇ!!!!
:パチパチパチ
:神!!
:まじ最高!!
:良かったぞー!!!
:パチパチ
:次が1日目ラストかー
:時間過ぎるの速ぇ〜
カメラに向かってお辞儀するライバー達。
スピーカーから聞こえる観客の歓声。
大きなスクリーンに映る会場の様子、そしてコメント欄。
そして、それをスタジオの入口から見守る私達。
ライブ会場と少し離れたこのスタジオで、私達はパフォーマンスを披露する。その挙動が電脳世界に変換されると、映像がライブ会場に伝達されて、ほぼリアルタイムで会場のとてつもなく大きいモニターに放映される、という手順である。
また、その映像を見ている観客の様子も会場から送信されており、スタジオのスクリーンに映るようになっている。
私達はダンスをしながら、本当のアイドルのように観客の様子を逐一確認できるという訳だ。
また、私達のライブ映像は会場だけでなく、動画配信サイトを通して全世界にライブ配信されているのだが、そのコメントは残念ながら見ることは出来ない。まぁ、これは後でライブを見返す時のお楽しみとしよう。
「お疲れ様ですー、次頑張ってねーきういちゃん」
「先輩達良かったです〜! がんばりま〜す!!」
「ふふ、ありがとー」
と、出番が終わり退場したライバー達が、きうい姉に一言残してスタジオから出ていく。2期生のユニットだ。ベテランなのでかなり警戒していたが、ダンスや歌唱の小さなムラが目立っていた節がある。あの出来なら、彼女らと人気投票で1位を争うことにはならなさそうだ。
コメント
:くるっ……!!
:……来るぞッ! あのポンコツがぁ!!
:【ポンコツ襲来】!!!!
:3Dモデル初お披露目か〜やべぇ緊張する〜!!
:楽しみぃ〜っ!!
:うちのあられがお世話になっております
:もうあられはライバースみたいなもんだから
:あられも"らいばーしゅ"の一員だ
:噛んでるじゃねぇかwww
この1ヶ月間の血反吐を吐く努力、全てはこの日の為。
ライブの為の下準備は万全。すぴかも覚醒し、観客は甘姫 あられの初3Dライブに湧いているはず。
今の私達に張り合えるのは、恐らく星乃 ルナただひとりだ。
つまりこれは、ライバース一期生兼株式会社ラナンキュラス社長──VTuber"四強"星乃 ルナとの一騎打ちを意味する。
私はVTuber界の頂点を取る女。
これは四強を討ち取り、ライバースのリスナーを強奪できるまたとない絶好の機会だ。
私はスタッフから受け取ったヘッドセットマイクを頭に装着して、口元のマイクの位置を調節する。
歌とダンスに特化したこのマイクをつけると、本当にアイドルになったかのような気分になる。
私は右のすぴか、左のきうい姉とそれぞれ頷き合うと、私は大きく息を吸い込む。
「みんなぁーーーーっ!!!! たのしんでるかぁーーーーーー!!!!!」
コメント
:うおおおおぉぉぉぉ
:きたぁぁぁぁ!!!!!!!!
:うおお!!!!!
:最高に楽しんでるぞぉーー!!!
:うおおぉ!!
:1日目トリ頑張れーー!!
:うおおおおーーーーっ!!!
:きちゃああああ!!
:うおおおおおぉぉぉ!!!
:あられぇぇーーーーーっ!!!!
「いよぉし!! いっくよぉーーーっ!!」
そう言って私はいの一番に走り出す。
スタジオに足を踏み入れた瞬間に感じる、数多の視線と期待、興奮。響く歓声、凄まじい熱気。
あぁ、本当にステージに立っているかのような気分……!
私はスタジオの真ん中めがけて足を進めながら、すかさず大きく口を開く。
「みぃんなああーーーっ!!! こんあられぇーーー──へブッ!!!」
コメント
:こんあられえぇえ!?
:草
:可愛いぞぉ!!!
:へブッ!?
:コケたwww
:やると思ったwww
:コケるんかいっ!!w
:草
:こんあられぇ!!!
:相変わらずで草
:3Dかわえええええぇ!!!!!
:ありがとうライバース……!!!!
:何も言えねぇっ……!!
さぁ! 楽しい神回の始まりだ!!!
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第百十八話読了ありがとうございます!
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