#114.チカとざえはエンジョイする
「ひぃ〜! ザ・夏って感じだ〜!!」
7月下旬という夏中の夏。雲一つない快晴に恵まれた今日の日中の気温は、30度を軽く超えてくるらしい。
私はあまりの暑さに汗をダラダラと垂らしつつも、笑顔で悲鳴を上げる。
今日の私の心は仏のような寛大さ!
この殺人的な暑さを笑って許してしまえるほど、これから始まる二日間が楽しみなのだ。
うむ……隣から視線を感じる……
まるで、頭上のコレについて文句があるかのような目で、ざえは私をじっと見つめてくる。
「……チカ、コレは本当につけなきゃダメ?」
「ダメ!!! ざえちゃんのためにやってるようなもんだからねぇ〜いっ!!」
今日は8月24日。現在地はもちろんライバースサマーフェスの開催地!!!
ふっふっふっ……この生粋のVTuberガチオタクであるチカ様が、年に数回の大規模イベント、さらには友達のあまちゃんが出演するこのサマーフェスに来ないわけが無いのである!!!
ただし、安心して欲しい。同じくVTuberを愛する同志達の事を思って、正規の応募で倍率の壁を乗り越えて、正々堂々入場チケットを手に入れたのだ。
まあ、その過程で運良く2枚ゲットしたので、ざえを誘った次第である。
「チカ。やっぱりコレはやりすぎだと思う……」
「もうっ! しつこい女は嫌われるよぉ!? ざえちゃんは今やチャンネル登録者数15万人の人気VTuber、私はあられたんの配信に出ちゃったから、こういう場所に来た以上しっかりと変装しないとぉ〜っ!!」
「……それは分かるけど……さすがにコレは……」
はぁ……一体彼女は何をそんなに心配しているのだ。
虹色に光り輝くアフロ(カツラ)!
あられちゃんカラーのLOVEの形をしたホワイトサングラス!!
ドン○キホーテで売っていたどこかの国の民族衣装!!!
あとノリで買ったちょび髭。
なんともユニークな衣装!! センスの塊!!!
「センスの塊!! ……じゃない! ダサい! 暑い! ギャグが古臭い! 後ドン○キホーテは伏せ字になってない!!!」
「うおぉ〜、素晴らしく丁寧なツッコミ〜! いつもボケなのにめずらしいねぇ〜!!」
「あま(ツッコミ役)がいないから仕方がない。はぁ……本当はミステリアスキャラなのに……」
「いや……よく考えておくれ、ざえちゃん。こんな暑い日にあえてのこの格好……これこそまさにミステリアスじゃないかい?」
「……! 一理ある……!」
あぁ、やっぱりちょっとズレてるんだなぁ、ざえちゃんは。
とは言いつつも、出会って間もない頃よりは随分と話しやすくなった気がする。
私が知らない間にあまちゃんが何かしてくれたのか……あまり良く知らないけど、こうしてツッコミを入れてくれるようになったのはとても喜ばしいことだ。
「……うぅ……このアフロ、蒸し暑い……大罪……」
「いよしっ! んじゃあ楽しもうっ! ライバースサマーフェス2024!!!」
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