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#110.私は苛立つ

   

 15時過ぎ。当初の予定では、もうとっくに合同練習が始まっている時間帯だ。


 私ときうい姉は、急遽別のメンバーが使用しているダンスルームの前の廊下で、萩原コーチを問い詰めていた。


 練習が始まる14時から20分程経過してもすぴかが現れないので、すぴかのマネージャーに確認を取ったところ、一言"しばらくお休みします"とだけ連絡が入っていると伝えられた。


 とりあえず音信不通という訳ではないのでひとまず安心であるが、休む事情を明かしてはくれず、マネージャーも現在頭を悩ませている。


「コーチ。なんとかいってください!」


 きっと、コーチだけの責任では決してない。

 これまでの数々の出来事や、私がすぴかの問題解決を先延ばしにしていたことも、要因となって現在に繋がっているのだろう。


 だが、その最後のひと押しをしたのは、紛れもないコーチであるはずだ。

 また、もしそうでないのなら、しっかりと事情を説明して勘違いだと証言してもらう必要がある。


 コーチはやや俯いて後ろめたい表情をしていた。が、何か自身の意志を決定したのか、突然強気な顔になって鋭い目を私達に突きつけた。


「……別に。"やりたくないならやらなきゃいい"って、言っただけよ……」


 ……っ!!


 私は咄嗟にコーチの腕を掴んで、その発言を強く非難する。


「"やりたくてもできないひと"はたくさんいるんです!!」


 すぴかは、自身の強すぎる憧れが足枷になっていて、どれだけ練習して技を磨いてもマインドがそれをセーブするから、結果上手く出来ていないのだ。

 つまり、彼女を改善するにはマインドを改善せねばならない。

 なのにこのコーチは、そのマインドを更に悪化させる一言をすぴかに放ったというのだ。


 私はその苛立ちをコーチに向けるが、彼女は依然として強気な顔つきのまま。


「だから、あの子はその(たぐい)じゃないでしょう……」


 そう吐き捨てると、彼女を拘束していた私の手を強引に振り払って、謝罪の一言もせずに立ち去っていってしまった。


 ……一体何なのだ彼女は!!

 コーチは知らないかもしれないが、私はこのライブで1位を取らないといけないのだ!

 折角、順調に事が運んでいたのに……挙句の果てには謝罪の言葉すら出ずにあの態度だ。


「……まあまあ、コーチにもきっと、思うところがあるんだろうよ」


「それは分かっています。でも、演者のマインド管理もコーチの立派な役目です。それを放って自身の気持ちを優先するのは、断じて良いとは思えません」


 形式上コーチのフォローに入ったきうい姉だったが、私が正論をぶつけると何とも反論せずに苦しそうな笑みを浮かべるだけだった。


 兎にも角にも、すぴかを何とかしなければ!


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***

第百十話読了ありがとうございます!


・面白いっっっ!!

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