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#102.入場特典は迷ってる時が一番楽しい

 

「二名様ですね。チケットをご提示頂けますでしょうか?」


「はい」


 ポケットから取り出した2枚のチケットを受付の人に手渡すと、端の点線部分が切り取られて返ってくる。


「お好みの入場特典をお選び頂けますが、どれになさいますか?」


 私は受付の机に敷かれた入場特典の一覧表に目を通す。貰えるのはどうやらクリアファイルらしい。グループの宣材写真と展示会のロゴが記されたファイルが5種類あって、その中から好きなファイルを選べるようだ。


 インターネットで収集した情報によると、この展示会は、地下アイドルの先駆となったグループにフォーカスを当て、彼彼女らの軌跡を追っていく、というものであるらしい。


 セミのように私の背に掴まっているすぴかを切り離して、私は耳打ちで内容を伝える。


「ぼっちちゃん、入場特典えらべるらしいんですけど、どれにしますかー?」


「……に、入場特典、? ……ふわあぁぁぁああああぁぁぁ!!!!!」


「えっ!? なに!?」


 ちらっと特典の一覧表を見たらしいすぴかは、その瞬間に先程の態度とは打って変わった大絶叫を響かせる。


「うわあこれはすごぉぉこんなのあったんだ事前情報見て考えとくべきだったかないや何も知らずに行くのも楽しいしセーフ! まあそれはよくて特典!! 神すぎるなぁ〜グループ迷うな"紅蓮"もいいし"あめあれ"もいいしなぁ、あっ"キリマンジャロ"ある! グッズ超レアなのに! うっわあこの"猫ロビ"の画角かっこいいビジュ良すぎるやっぱりこれは──」


 ……めっちゃ喋る。え? このレベルの豹変なの?

 この豹変ぶり、知り合いのVTuberオタクさんと酷似している。が、その某オタクちやんは元々明るい子だが、すぴかは極度のアレで先程まで私の背で呻いていたのだ。好きな物というのは、ここまで人を変えるのか……恐ろしい。


 あまりの捲し立てに私も受付の人も唖然としてしまうが、先に正気に戻ったのは受付の人であった。


「結構お好きなんですねー地下アイドル。私も実はかなりの地下アイドルファンなんですよ。今回の"猫ロビ"のビジュ、めちゃくちゃ良いですよねー! これ、この展示会のためにわざわざ撮影してくれたらしいですよー!」


 流石はプロフェッショナル! 即座に客のテンションに合わせるこの適応能力! 私も参考にできる部分があるかもしれない。


 が、そんなプロ精神も虚しく、すぴかは急にスンと正気に戻って唇を震わせる。


「……う……あ……はい……うす」


「あっ……すみません。勝手に語りすぎちゃいましたねー……」


 やっぱり相当のコミュ障らしい……受付さん、せっかく合わせてくれたのに本当に申し訳ない……


 とは言っても入場特典は選択せねば先に進めないので、もう一度耳打ちですぴかに尋ねる。

 彼女は私の話を聞くと、無言のまま特典表に指を指した。が、意外なことに彼女が選んだのは、先程の話では全く触れていなかった5番目のグループ"──ウォルフ・ライエ"であった。


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***

第百二話読了ありがとうございます!


・面白いっっっ!!

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