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#100,デートとコーディネート

 

 8月8日 木曜日 午前9時。


 私は余りの猛暑に耐え切れず襟元をパタパタして内側に風を取り込みながら、とある待ち合わせ場所で彼女のことを待っていた。


 私はすこし顔をしかめて、手首の時計に目をやる。


 時間になったけど……何かあったのかしら?


 まさか……ドタキャン? いや、いくら人と関わるのが苦手と言っても、さすがに一度了承した約束を無断で破るような非常識ではないだろう。多分。


 私は少し不安になって、時計から視線を外し辺りを見渡そうとした、その瞬間。


「……られさぁん」


「ぅぃやあぁっ!!!!」


 突然、左耳のすぐ近くで聞こえた、怨霊らしき何かの呻き声!

 ……かに思えたが、その正体があまりにも可愛い服装のすぴかだったので、私はほっと安堵の息をついた。


「すぴかさん、おどかさないでくださいよー」


「……す、すみませんっ……あの、あられさんってあんまり大きい声で言わない方が……って思って」


 なるほど、そういうことか。

 やはりライバースは全体的にリスク管理意識が高い。


「じゃあ、あられ──おっとっと、わたしは! "みぞれ"ってていでいきます。すぴかさんはぁ……えとー……ぼっちちゃんとか?」


 ……っとダメだ。これではすぴかが天才ギタリストになってしまう。


「うへへ……ぼっち……初めてのあだ名、嬉しいですぅ……」


 えぇ、反応も同じとは……やはり陰キャのシンパシーなるものがあるのだろうか。


 ただし、彼女には天才ギタリストとひとつ異なる部分がある。それは、服装だ。


 トップスは白のオフショルダー。襟元に施された大きめのフリルがポップな印象を与えつつ、布地が薄く涼しそうで、かつシルエットもストンと落ちている為、何とも夏らしいお洒落な雰囲気を醸し出している。


 また、膝下丈の黒のスカートも所々に装飾が加えられつつ根本はシンプルな設計をしているので、コテコテになりすぎず遊び心の域で上手く収まっている。

 さらには、白または黒で整えられたバッグやアクセサリーの数々。


 一歩間違えれば主張が強くなりすぎてしまいそうなアイテム達が、絶妙なバランスでモノトーンコーデとして落とし込まれており、全身が一種のアートとして見事に完成を果たしていた。


 派手過ぎず、シンプル過ぎず、お淑やかで素敵なコーディネート。やっぱりこーでねーと……んんっ! 今のはやっぱなし。


「あ……あの……あんまりジロジロ……見ないで……くだ、さ……」


 服にあった視線をそのまま上に向けると、見すぎたせいで顔を青くして白目を向くすぴかの無惨な姿があった。


「あっ! ごめんなさい! あまりにかわいくてつい……! もしかして、じゅんびで時間ギリギリに?」


「……あ、それは早く来ちゃったら待ってる間がつらいからで……その、予定通りです……」


「あ、はぁ……」


 やはり、幾ら可愛い顔をしていてお洒落な服を着ていても、陰キャの性には抗えないようだ。


 私は、人目を気にして怯えるすぴかを背に従えて、ポケットから2枚のチケットを取り出す。


「んでは、さっそくいきましょうか!」


 向かう先は……地下アイドル展!!


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***

第百話読了ありがとうございます!


・面白いっっっ!!

・はやく続き読みてぇぇぇ!!


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