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#97.断末魔を上げる

 

「ん? あれ? チカちゃん?」


「すー……ぴー……」


 コメント

 :あれ?

 :ん?

 :〇んだ?

 :石油王、死す……

 :そんなぁっ! 俺らの英雄がぁ!

 :草

 :音声不調か?


 突然に奇声を上げて音信不通になるチカにユリが心配の声をかけるが、返ってきたのはうっすらと電波に乗る寝息だけであった、


 ストレス過多による欲求の暴走!

 人間は時にストレスを受けすぎると、ついに耐え切れず欲求のまま動いてしまうことがある。


 もはや日課となってしまった犬の散歩、当たり前のように強制される残業、家では事ある毎に嫁と娘に嫌な顔をされ、数少ない休日では『少しは家のことを手伝え』やら文句を言われ、ろくに休むことも許されない。

 そんな過度なストレスを受け続ける過酷な日常を送っていれば、耐え切れずに酒や女に手を出してしまうこともあるだろう。


 今回のチカもそれと同様、限界を超えたストレスによる急激な睡眠欲求の上昇だ。

 勿論、自身の置かれた危機的状況を脱するため狸寝入りで誤魔化しているという可能性も指摘されるだろうが……電話越しに聞こえる寝息が、以前眠る彼女を背負っていた時に聞こえてきた寝息と感じがとても似ているので、その線はないとみてまず大丈夫なはずだ。


 加えて、これはあくまで憶測だが……ユリとコラボするのが決定したのが4日前、チカに連絡したのが昨日のことなので、昨日は緊張して眠れなかったという説はなくもない。


 が、どうだろうか。いくら突然配信に出演することになり、そこで自分のよく知るVTuberと話すことになったとはいえ、眠れなくなるほど緊張するものだろうか……いや、十分するのか。


 ただ、チカは既に『友達が推しのVTuberだったんだが!?』と『最推しにリアルで会ってキスされたんだが!?』の2つのとんでも展開を経験しているのだから、少しは慣れて欲しいものである。


 まあ、とにかくチカが眠ってしまったことに変わりはないし、これはもう通話を切った方が良いのだろうか。


「ユリせんぱい、これってチカとの通話きったほうがいいですかぁー? ねてるっぽいので」


「え? あぁ、これ寝てるんだぁ……つくづく変な子だなぁ……うん、そうだね。いつもはスタッフさんに確認してもらって随時ミュートにしてもらってるんだけど……どうせなら早い方が良いし、残念だけど切っちゃおうかな。じゃないと、ちょっとまずいことがあるかもだし……」


「はーい、わかりましたぁ」


 まずいことと言うのは、何らかのアクシデントを指しているのだろうか……そこまで脅威になることは思い当たらないが。


 一般家庭なら家族が乱入する可能性も考えられるが、チカの場合両親と同居していないし、きっと屋敷の使用人などにも色々と言い聞かせてあるだろう。

 おそらくユリはチカの家庭を一般家庭だと誤解して、そのように言っているのだろう。


 リスク管理は最優先事項。そのような危険性がないからこそ、私はチカを配信に呼ぶことが出来ているのだ。


 それとも、まさか寝言で秘密事項を言ってしまうなんてことが……いや、それはさすがに考えすぎか。


「……んー……むにゃむにゃ……」


 ……ん? なんだか嫌な予感が……


「むにゃぁ……甘姫 あられこと〇〇高校在籍中の天才JK 霰姫 甘さん! 真犯人はあなたです! ……むにゃむにゃ……」


 ……ぎゃぴっ。


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***

第九十七話読了ありがとうございます!


・面白いっっっ!!

・はやく続き読みてぇぇぇ!!


と感じましたら、良ければブックマーク登録、感想、評価★★★★★よろしくお願いします!!

面白くなければ、★☆☆☆☆でも構いません!!


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