表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/188

#89.ダンスは人の内側が出る

 

 今、私の正体を知っている人物はチカ、ざえの2人である。きうい姉は……分かっているのだろうが、自分からカミングアウトはしていないのでノーカウントとしよう。

 つまり、私──甘姫 あられが実は天才だという事実は、この3人しか知らないという訳だ。


 情報、特に秘密という機密性の高い情報は、何とも拡散しやすい類のものである。カリギュラ効果といって、誰にも言ってはいけない、と分かると、逆に言ってしまいたくなるのが人間の心理なのだ。


 だから、たとえ配信中でなくとも、私は甘姫 あられのキャラクターを維持し続け、この秘密を守り抜かねばならないのだ。だが……


 萩原コーチが、こちらに向かって首を傾げているこの状況。非常にまずい。彼女は疑いの目をこちらに向けながら口を開く。


「私は、物心のついた時からずっとダンスをしてきたわ。毎日ダンスと向き合ってきて、高校生位の頃からダンスで人の概要を大まかに理解できるようになった」


「ダンスって人の内側が出るっていうもんね〜」


 先程までコーチに泣きついていたきうい姉が突然合いの手を入れてくる。

 というか、同意してるんじゃないわよ! このままじゃ秘密が……!


 私はきうい姉に視線を送って助けを求めるが、彼女のとった行動は私が願ったのと真反対のものであった。


「あられちゃん、そろそろ本当のこと言った方が良いんじゃない?」


「なっ!?」


 う、裏切り!?

 私は慌ててきうい姉の発言を非難する。


「ちょっ! 何言ってるんですか!! ほんとのことってなんですか!!」


 ……一体どういうつもりだ、鬼透 きうい!

 焦る私をジロジロと見てくるコーチとすぴか。

 その視線をかわしながらきうい姉を睨みつける私。


 妙な三角関係が出来つつあったが、私はため息をついて彼女から目を逸らす。

 ……きうい姉のことだ。何か考えがあるのかもしれない。


 まずひとつ思い浮かぶのは、月末のライブステージ。


 ライブのパフォーマンスを、投票1位をかっさらう程に仕上げるのなら、当然並の努力や練習では到達出来ない。


 1位を奪りにいくなら、お互いのことを奥深くまで知り得た上で、互いを最大限に引き出せるようなパフォーマンスを構成し、また、各分野のコーチ(スペシャリスト)から自身の奥深くをよく知ってもらった上で指導を行ってもらう必要がある。

 さらには、秘密の共有というのはユニット同士での信頼度の向上に大きく繋がってくる。


 打倒ルナの為、今こそ秘密を打ち明けてより一層仕上げていこうと、そう言いたいのかきうい姉!?


 今度は熱い眼差しで彼女に視線を送ってみる。が、彼女の顔はそんな私の眼差しに受け答えるようなものではなく、何かを企んでいるような不敵な顔をしていた。


 違う! これは正真正銘裏切りの顔だ!!

 ……だが、ここはあえて乗ってみるのもアリか……危険性(リスク)は非常に高いが、その分先程あげた利益もある。

 それに、彼女らはあくまでもプロだ。情報漏洩などという一発解雇の所業をする可能性は低い。というか、すぴかはまず口をこぼす相手もいなさそうだし。


 ……いいだろう。ここはきうい姉の意図に乗ってあげよう。私は頭脳戦には自信があるのだ。


「じ……実は……私、偏差値83で全国模試1位で海外の大学から飛び級推薦来てる天才JKなんです! 天才JKが"ぽんこつ"系ブイチューバーになってたんです!!」


 さあ、どう出る!?


 現在の登録者数:36,4210人(35人up⤴︎︎︎)



私事ですが、ついさっきアニメ無職転生第二十二話「親」見ました。

もう……なんかやばかったです。(語彙力)

あんなに最高のクオリティで最悪(良い意味)な鬱展開を見せられてしまうと、もう語彙力なんて失って当然。親に感謝の念を抱かざるを得ないです。

この鬱展開に感銘は受けましたが、あられ達には末永く楽しく活動して欲しいので、そこら辺は安心して下さい笑

以上、私事でした!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ