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#88.精密は頭脳を示す

 

「1、2、3、4、5、6、7、8!」


 きうい姉とすぴかが見守る中、私は手拍子と同時に放たれるコーチのカウントに合わせて体を上下左右華麗に動かすと、最後のカウントで格好良く右腕を突き上げてポーズを決めた。

 コーチの満足気な顔と、拍手するきうい姉とすぴかが見えて私は安堵する。


「驚いたわ。まさか一週間で殆ど完璧にするなんて。まだ合同レッスンの方は続くだろうけど、個人レッスンに関しては明日から無しで良いわよ」


 いよしっ! と柄にもなくガッツポーズをしてしまう。


「あられちゃぁーん!! すごいよぉ天才だよぉ!!」


「……すごいです……こんな、短期間で……天才です……!」


「えっ!? いやぁー天才ではないとおもうけどぉ、それほどではあるかもですねー!」


 この一週間を一言で表すなら、まさしく"武者修行"の一週間であった。

 私とユニットを組むことになったきうい姉とすぴかだが、2人とも歌もダンスも桁違いに上手い。

 その分、私に求められる完成度は自ずと高くなり、合同レッスンの度に自分の未完成な部分に気付かされることになった。


 早くその差を埋めたい、とその一心でこの一週間練習に励み、並んだとはまだ言い難いものの、どうにか着いて行けるくらいにはなった、と思う。


「でも、きういさんたちにほめられるのはすっごくうれしいです。とくにすぴかさんはダンスもうたもとても上手ですから」


「……あー、えと、私は……オーディション組だから……」


 ……ん? どういう意味だ?

 首を傾げる私の様子に気づいて、すかさずきうい姉が説明を加える。


「ライバースはVTuberでありながらアイドルでもある。だから、オーディションの時は歌とダンスが重点的に審査されるんだよ〜」


「へぇー! そうだったんですか!」


 どうりで上手いわけだ。ん、あれ? すぴかのその言い草だと、きうい姉はオーディション組ではないのか?


 気になったが、その前にコーチが口を開いたため、喉の上部まで出かかっていた質問をごくりと飲み込んだ。


「この短期間でここまで練度を上げるのは、本当に大したものよ。それに、あなたのダンスはとても精密。その(こまか)さは、何度もダンスを俯瞰して、分析し、自分の動きを修正し続けなければ発揮されないわ。アイドル、天職なんじゃない?」


「なぬっ!? あられちゃん、鬼畜コーチ萩原にここまで言わせるなんてっ……凄いねぇ!」


「鬼透 きうい、今日の練習3倍ね」


「なんでぇっ!?」


「あはは……」


 泣いて発言の取り消しを懇願するきうい姉に苦笑しながら、私はすぴかの曇った表情を不審に思う。が、私がじっと見て怪しんでいるのに気づくと、すぐに表情を取り繕ってしまった。


 抱きつくきうい姉を全力で引き剥がしながら、コーチは私にあるひとつの疑問を投げかける。


「それにしても……精密さは、普通はインテリチックな人のダンスに現れるものなのだけど……配信中のあられさんと真逆ね……どうしてかしら……」


「えっ!?」


 まずい! この流れは……!


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***

第八十八話読了ありがとうございます!


・面白いっっっ!!

・はやく続き読みてぇぇぇ!!


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面白くなければ、★☆☆☆☆でも構いません!!


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