#1.天才は電脳世界に降臨する
「あ……あー……」
PCの青白い光を浴びながら、買いたてホヤホヤのマイク(オーディオテクニカルAT800──近場の電気屋で購入¥11,999)に向かって声を出す。
緊張して水を1杯。……あー、全国模試1位連続記録を3桁の大台に乗せる時よりも緊張する……。
そう、私は天才少女、霰姫 天(15)新高校1年生──と、自己紹介は簡潔に、ダラダラしてるとすぐに配信を閉じられる。要は天才! JK! これだけで十分だ。
首を捻ると、それとリンクして動く電脳世界の少女。
彼女の名前は甘姫 あられ、命名は安直、私の名前を反対にしただけである。
彼女の容姿は白い髪が腰辺りまで伸びており、目はまん丸、口は小さめ、元気っ娘で少し幼い印象を持つ……現実の私とは正反対のような外見だ。
しかし、それは外見だけではない。
この娘──甘姫あられの最大の特徴。
それは──
"ぽんこつ"
である!!!!!!
そもそもVTuberとは、主に声に自信のある人達が電脳世界を通じて自身を発信し、色々な手法でファンを獲得し人気を集める、そんな人達のことを総称して言う。
彼彼女らは一時期の莫大な注目とブームに乗って次々と出現。そのバラエティー性は非常に高く、可愛くあざとく振舞う者から大喜利を行う者、ワサビを頬張る者から癒しを提供する者、はたまた18禁ボイスを売り出す者まで存在し……今やVTuber飽和時代となった。
VTuber飽和時代となった今現在、下手な思いつきや準備不足のキャラ設定では簡単に埋もれてしまう。つまり、この時代を生き残るには、徹底した下準備、業界の分析、綿密なキャラクター設定などなど数多の知識工夫が必要になる! そして、──これらから導き出される最適解!
それこそが"ぽんこつ"なのである!
「よし……そろそろ始めよう……時刻は日曜21時、VTuberファンが1番集まりやすいはず」
他SNSのアカウントは1か月前に作成し、継続的に活動予告、また少量ではあるが動画配信サイトにも広告を打っておいた。
2Dモデリングは最近人気が出てきた位の才能の原石さんに依頼し、その他諸々のデザイン系は比較的安価かつ品質の高い人を厳選して依頼させてもらった。
不足はない。遂に初配信。
2024年3月24日。ここから、VTuber甘姫 あられの伝説が始まる──!
「あ、あー……! きこえますかー」
「やっとやっとの初配信! 緊張するぅ……」
「……」
「あれ? みんな、きこえてる?」
ミュート芸!!!!!!!
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