二~三振り目 狩人ジョー・アズマヤ(ベルリン)
文字数少なくして、ちょこちょこ更新して行こうかと思います。
前の話が個人的に盛り上がって、しまったのでクールダウンします。
最近、アクセス解析なるものを覚えてしまいました。人の業とは深いものですね。
1
ベルリン家、グルドニア王国王都中央で名のある伯爵家だ。このベルリン家は、代々商才があり元は商人からの成り上がり貴族である。
その中で一族の中に、〖神の奇跡〗魔法である《回復》を使うものが現れた。教会はハンチング・ベルリンを祝福した。
だがこの男は切れ過ぎた、切れすぎる道具というのはいつの時代も扱いづらいものだ。
ハンチングは《回復》魔法の使い手とは、非常に優秀であった。また彼は「一人の才あるもの(回復の使い手)だけでは万民を救うことは出来ない」といい。古来よりあった医術(医学)の普及に努めた。それにより、当時まだ世間の認識では認知が低かった。予防医学、公衆衛生による感染対策、貴族を対象に講習会や、学のある平民の医術士の推奨等多くの偉業を成し遂げた。
これまでその利権を独占してきた教会としては面白いはずがない。
出る杭は打たれた。
そして、彼は流れの医術士となり東の地、ウェンリーゼにたどり着いた。
最愛の息子と物好きな弟を連れて…
2
「どれ、行くか」
ジョーはタバコを咥えながら、帽子をかぶり直す。タバコを【携帯灰皿】に入れる。海を汚さない、【エチケット】を守るこの男は父親に似て紳士だ。
「兄者の形見か、よう似てきたなぁ」
ベンはその帽子を懐かしむように見る。
「叔父貴、とっくに親父の死んだ時より年食ってるよ。あぁ、特に何か効果を付与しているわけじゃあないが、こいつ被った時は調子がいいんだよ」
ジョー少年…いや、ジョーは帽子のつばを軽く掴む。
「そういえば、お前さんの初陣の時は雨が降っとったな。今日は曇りじゃが」
「そいつは【縁起が悪い】俺にとって雨は神々からの恵みなんだぜ」
ジョーは、杖(筒)を肩にかけいう。
「まだそんな【クラシック】を使っておったのか?今ならそんな骨董品より、量産品でもいい杖があるだろうに」
「こいつは、叔父貴が弓が中らなくて腐ってた俺のために【オーダー】してくれた特注品だからな。俺の手に馴染みすぎて、離れてくれないのさ」
この父親譲りの一メートル八十はあろう、スラッとした【スタイル】に帽子を被り、整えられた気品ある口髭を蓄えた狩人を皆、【ハンサム】といった。
アルパイン(仲間外れ)が発起人となった〖イケメン軍団〗一のハンサムの視線がシーランドを射抜く。
「お前さんそういえば蚊蜻蛉(魔導サーフィン)は乗ったことあるのか?」
「クロシロが小さい時、溺れないように何度か付いていったきりか、まぁ何とかなるだろう」
ブィィィィーン
海上を軽快に走る音がする。
〖魔導水上バイク〗ルーググの稼働音だ。
「先生、俺たちに声掛けないなんて水臭いじゃないですかい」
左利き(レフティ)が当たり前のようにくる。
「親父さんときからの借金やっと返済するときがきました。最後位、仕事さしてください。竜退治なんて、夢のある仕事ですねぇ」
仕事なし(ニート)が返済にきた。
「「………」」
ジョーとベンは顔を見合わせる。
「なっ!なんとか、なっただろう」
【イケメン】はいつの時代も持っている。
ウェンリーゼより、西の西の彼の地に猫を大きくした虎という、野生の狩人がいる。その虎に出会ってしまったら最後、獲物はせめて無惨に食い散らかされないことを祈るのみである。
そしてこの東の地には、ジョー・アズマヤ(ベルリン)という〖東の虎〗がいる。
東の虎が二本指をつきだしシーランドを指差す。
あぁ、獲物は虎に【マーキング】されたようだ。
今日も読んで頂きありがとうございます。
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作者も業が深いようです 笑