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居ない妹と姉2

門番への聞き取りとりをした時有力な情報を手に入れた。

誰かが門番を追い払ったこと。

一応他の門番にも聞いてみると全員が2時ほどに休憩を誘われたという。

侍女と直接話したのは最初に聞いた門番だけ。この侍女が怪しすぎるが一旦横に置いておくしかない。

私はミウナーを探す手がかりになる自分にできることをする。


聞き取りはここらが限界だろう。

門番全員の聞き取りに疲れ、他の使用人達はあまり聞けなかった。

私は精神的な疲れを取るため自室で休憩しながら、魔法で作った分身の様子を見る。分身を見るというより分身の感覚を共通化させるから感じると言ったほうが正確だろう。

沢山の分身と感覚を共有する感覚は大量のパソコンから映像が流れているような感じで、殆どの情報は逃してしまい頭は混乱するしで面倒な魔法だ。

私は感覚を共有して分身がミウナーを見つけていないか見るも、全く視界には写り込んでいない。

もう少し数を増やすか考えるが、今の数でも感覚を共通するのは一杯一杯なのだ。

今の数から増やすのは無理。魔法で探すのはこれが限界だろう。


私が今できることは、侍女からミウナーが居なくなったと思われる2時前後を聞くことしかできないだろう。

私はもう少し休憩してから今度は何と聞こうか考えているとマリーがノックもせずに部屋に入ってきた。

「お、お嬢様!これがポストに入っていました!」

急ぎの用らしいが、ノックはしたほうがいいと思う。

私はマリーが指すこれを見る。

手を少し掲げ、手に持っているのは手紙だった。

私はどうしたのかと尋ねると

「これの宛名がローレヌ家の使用人だったので開けてみたのですが、書かれていたのがミウナー様を返して欲しいのなら金を寄越せとと言うもので、内容からミウナー様を攫った方です!」


ミウナーは攫われたのか。私はマリーに手紙を見せてもらいながら考えた。

返して欲しいならおかねを欲する。これは所謂、身代金だ。

犯人は身代金目当てなのだ。なら少なくとも身代金を渡す準備が整うまではミウナーは無事だろう。

もし、犯人がミウナーを殺すとしてもお金を取ってからだろう。そんな事、考えたくもないが。


でも身代金なんて、こんな巨額払えない。

最近は冒険者になりそれなりには稼げているが貴族の家への身代金要求だ。私の持っているのはお金なんて貴族にとってはゴミも同然だろう。そんな金額しか持っていない私には到底払える額ではない。


身代金を払わないと、ミイナーは帰ってこないだろう。

勿論、ミウナーは返して欲しい。けれど、お金はない。

…本家に言ったら助けてくれるだろうか?

一瞬考えるも私は首を振る。本家と私たちとの関係は希薄だ。

助けてくれるかも確かではないので、頼るわけいかない。他人本願なんて私は嫌いだ。

…時間は二週間ほどでまだあるが稼げる額ではない。


犯人とミウナーの居場所を突き止める。

これが当面の目標になりそうだ。


とりあえず、私は冒険者としてお金を稼ぎながらミウナーのことを考えればいいのだろうか。

でも、一週間で毎時間でも、毎日でもないのに貴族の金銭感覚でも()()()()はあるはず。

毎日、毎時間オールで働けばワンチャンいけるかもしれない。

でもそのためには、マリーに冒険者になったとカミングアウトしないと毎時間働けない。

どうする?このままでは好きに動けない。そうなると身代金が用意できずミウナーが…自分のことを取るかミウナーを取るかだろうか。

だったらミウナーの方が重いだろう。自分の家を抜け出したことを隠すよりミウナーの方が優先事項。家を抜け出した罰は見つかったら受けなければならないのなら、いつバレるか自分でバラすかの違いだけだ。

だったら言っても大じょうぶ…かな。地味に怖いんだよな。

ほとんど放任主義で優しいマリーでも流石に勝手な外出は怒るだろう。

でも、ミウナーを助けるにはマリーの協力が必要だろう。


うう、言うしかないか。

私は覚悟を決める。

どうか怒らないで聞いてください。

「ま、マリー。ミウナーを助けたいから冒険者になって良い?」

怖くてつい、ミウナーをダシにしてしまった。

「…冒険者、ですか?…何故そのようなお考えになられたか教えていただいてよろしいでしょうか。」

怖いこわいコワイ。なんか背後に怒気を背をった感じで途轍もなく危ない感じがする。

マリーって怒ると怖いなんて。少しは予想していたけど予想の20倍は怖い。

「…わ、私は冒険者登録をもうすでに済ましているのと、何より時間で働かないといけない普通の仕事では二週間で稼ぎきれないから。」

ふぅー、最初はスタッカートで始めてしまったが声はk殆ど震えていなかった。

「…そう言うことは、屋敷を私どもにお声をかけられずに外出なさったのですね?そうですね?」

気迫がすごい。

「ええ。そうよ。その事については今は謝るわ。けれど今はミウを助けるために冒険者の仕事をしたい!」


私は頑張って言い切る。


「…そうですね。ミウナー様を助けられる可能性があるのなら冒険者しても大丈夫です。ひとまず保留ですけど、この件が終わってからゆっくりそのことは話しましょう。」

ひ、ひとまず助かったー。怖かった。マリーが怖かった。

「…ありがとう。あと二週間で頑張って稼ぐわ。」

「私も手伝います。お嬢様」


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