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休日の楽しみ方





セラの家に到着した俺は1度、ベルを鳴らす。

返事はない。まー、寝てるわな。

合鍵を使って中に入る。入ってすぐ左側の部屋の奥に巨大なゲーム機が置いてあり、そこで寝ている人影があった。


「紗夜、大丈夫か?」

彼女の体を軽く叩く。VRを外してやると目を覚ました。


「うーん、まことぉ?」

目を擦りながら起き上がる。そのままフラフラと洗面所に向かっていった。

しばらくするとシャワーの音が聞こえてくる。その間、彼女のキャラ、セラの防具を修繕へ送ってログアウトさせる。


今は12時前だ。彼女が戻ってくる時間を見計らい、軽食を作る。冷蔵庫を見た感じ、食材が少なすぎる。

「はぁ、また買い物に行ってないのか……」


俺はこっちに来る時買っておいたベーコンと食パンを使いエッグトーストを作る。

卵は幸い3つあった。


数分経ったころ、彼女が下着姿で出てくる。

「わぁお!エッグトーストじゃん、もーらいー!」


いつものことなので今更注意しても遅い……俺はフライパンなどを洗う。


「まことぉ〜。さっきのゲームなんだけどさぁあ?」

紗夜は着替えもせずに椅子に座る。


「乾かしてから言え。」


「あいあい〜。」

彼女は寝室に向かっていった。


その間、食器洗いを終わらせ、スマホを開き AREA0 の情報を確認する。案の定、俺たちのことがニュースになっていた。


見出しは【No.3 カジュアルに出没】

はー、やっぱりサイボーグアバターで行ったのは間違いだったか……


SNSでは俺だけでなく、紗夜のキャラも軽い話題を呼んでいた。

うーん、TWを使ったのも間違いだったか……

いや、間違いでは無いはずだ。紗夜は絶対ハマってくれると信じている。そのために注目されるくらいどうってことない。

俺が頭を抱えて悩んでいると、紗夜が帰ってきた。


「おい、どうしたんだよ。まこと。話題になるくらいどうってことないよね〜。なんせあんたは元プロゲーマーだし今更感あるでしょ?」

紗夜がニヤニヤしながら詰め寄ってくる。


「プロゲーマーはもう過去の話だろ?」


「早く、私に永久就職しちゃいなよ…そしたらもう一度、ゲーマーの仕事できるじゃん。」

実際、紗夜の勤め先の企業から専属プレイヤーのオファーは来ている。だが専属になれば好きなゲームを遊べる機会が少なくなってくる。

「というかさ、専属にならなくても今のアパート解約してこっちで同居すればー?」


「ま、まだ早い気がするんだ…」


「へー、毎日のように行き来してる人が何言ってんだか」

紗夜はそう言いながらVRの方に向かった。


「ん?またするのか?」


「えー、私が寝てなかったらまこと、まだ続けてたでしょ?」


「たしかに、そうだな。」


「ってことでさ〜!VRもう1台買っちった!」

気づけば部屋の隅に隠れていたがリクライニングがついていない標準使用の機体があった。

「電源プラグの関係で部屋の奥になったけど良いよね?」


「いいも何も、俺ですら2台は買えないのにどうやって?」

俺はキッチンに両手をのせ前のめりになりながら怒る。


「あー、いやぁ。色々?節約して買いました。」

俺がAREA0 にハマっていた半年間で2台分のお金を貯めたのか…


俺は紗夜を抱きしめながら言った

「無理をさせたようだな…すまなかった。」


「いいんだよ。私がそう望んだんだからね。今日は土曜日だよ?存分に楽しもうよ。」

「あー、それとさ!まことのランニングウェアも買っといたよ?サイズはMで良かったよね?」


用意周到すぎるぞ……

「あぁ、あってる。」

そのまま、服を受け取り着替えに行く。

ゲーム内では俺が準備しリアルでは彼女が準備する。

はぁ、最高か……


部屋に戻ると、紗夜がVRとトラッキングをつけゲームを起動していた。


俺はもう1台の機体に向かうと、そこには全てのコントローラーが揃っていた。

「おい!紗夜これって!?」

彼女の方を向くと、左手をピースサインにしてこちらに向けていた。

やってくれるぜ!

俺はゲームを起動しAREA0 の世界に接続する。


ログインするとサイボーグアバターの修理台の中で目覚める。

目の前には、セラが立っていた。

「マイハウスってすごい便利だよね。ここが私たちの拠点かな。」

服の修繕が終わってないようなので、俺が渡したポンチョだけ着ている。


「あー、予備の装備も買わないとな。」

修理台から出た俺は、電子端末の中にあるオンラインショップから同じ装備を買おうとしたら手を止められた。


「一緒にさ、選ばない?不知火のサイボーグアバターだって今、裸みたいなものでしょ?」


「うーん、裸って言えば語弊があるが上からアーマーをプラスすることも出来る。けど重量が上がって移動スピードが遅くなるからな。」


「へー、不知火のランク帯でも重量気にするんだ。」


「一般と比べたら、より多くの装備を付ける事ができる。けどランク90以上が使う弾丸は貫通力が異常なほど高いからつけてて意味ないんだけどね。」


「頭おかしくないそれ?」

「でも、でも!そのままはかっこ悪いって…」

まぁたしかに筋繊維丸見えだし不格好か。


それから俺たちはオンラインショップを吟味し1時間くらいかかって装備を新調した。





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