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同時連載。『異世界ファンタジーはハッピーエンドを求めている。』もよろしく。
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「私にはよく分からないなぁ」と、ララは言った。――分からなくていい。理解してしまうと狂いそうになる。「あっ、そう言えば私まだ、自分の旅の目的をカエデに説明してなかったよね?」
ララは有り難いことに話題を変えてくれた。僕の表情を読み取って配慮してくれたのか、はたまた純粋な衝動だったのか。どちらでも構わない。どちらにせよ、僕にとっては総て愛でたいララの情動だ。
確かに、僕はララの旅の目的を知らない。実を言うと、どうでもいいとさえ思っていた。でも、目的は重要だ。僕たちは目的なしに道を歩くことが出来ない。意志を抱くことは出来ない。幻影のままでは、ララは僕の側から離れていってしまう。遥か先へ歩いていってしまう。そして地面が割け、圧倒的な揺り動かしに遭い、裂け目から伸びてきた黒い腕に捕らわれて、失われてしまうだろう。
「そう言えばそうだね。たとえどんな理由でも僕はララに付いていくけど、是非聞かせてよ」僕はララに道を尋ねる。
ララは目を瞑り、何か甘いものを味わうような表情をしてから目を開き、また、あの丁寧に壁紙を貼るような話し方で説明を始めた。「この旅がね、さっきも言った魔法使いになるための国家試験なの。魔法の才能がある子は、16歳になると魔法使いになるための試験を受けることができて、全国5つの場所で5つの試験を受けて、そのすべてに合格すれば、はれて魔法使いになれるの。しかも試験場所の移動は川や海を航る時以外基本的に徒歩。国中を歩くのも試験の内って訳だね。そこに関連して、1人だけパートナーを連れることができるの。直接的な手助けは厳禁だけどね。それがカエデってわけなの」
「なるほどね」僕はララの説明から浮上した幾つかの疑問点を、頭の中で簡潔に整理する。そしてララに質問する。「とても大事なことなのは、よく伝わってきたよ。ぜひ協力したいね。でも、おばあちゃんの予言があったとしても、僕よりも頼りになりそうな人はララの周りにもいたんじゃないか? それこそ魔法が使えたり、武術に長けていたり」
「ルールがあって、魔法を使える人は連れていけないの。武術に自信のある人はいなかったなぁ。私が住んでたのは普通の山村だったからね。それに、おばあちゃんの予言だからね! 絶対素敵な人に出会えると信じてたわ! まさにその通り!」
「……おばあちゃんが大好きなんだね」
「うん! おばあちゃんも元魔法使いなの。もう引退しているけど、今でも占いで人助けしたりしているの。それにほとんど外さないの。凄腕なんだから!」
僕も昔はこうやって、おばあちゃん大好きと、よく言っていた。それを想起すると、とても辛くなった。




