大珍獣ゲロラVSドッグン
前に書いた大珍獣ゲロラの話に大珍獣ドッグンの話を書いてみました。短い話です。よろしくお願いします。
ある一匹の犬がいた。泥だらけで痩せこけた犬でも首輪をしていたので捨て犬だった。保健所の人に捕まり怯えていた。オリに入れられ可哀そうだった。そんな時眼鏡をかけた医者らしき男の人がその犬を引き取った。犬は安堵するかに見えたが犬はその男を怖がった。連れていく際もなつかなかった。
男が犬を連れて行った先は犬がケースに沢山入った獣医クリニックだった。他の犬達もいたが皆元気が無かった。その犬が来ても他の犬は鳴くことは無かった。ただ、うつろな目で見守るだけだった。そうここは、獣医の動物実験の場だった。その犬は分かっていた。その男は何やら気味の悪い色の液体の入った注射を取り出した。その犬は弱弱しく吠えた。自分の運命を受け入れるかのように。
2021年東京都心大怪獣がまたもや現れた!!二本の足で立つその怪獣は犬の姿に似ていたのでドッグンと名付けられた。民家やマンション、ビルをなぎ倒すドッグン逃げる民衆。戦車や戦闘機に囲われるドッグン。でもミサイルも砲弾もドッグンを傷つけられない。日本の危機!!東京は焼け野原と化すと思われたが!!東京湾から新たな怪獣が現れた。一週間前に現れ東京湾に消えてった大珍獣ゲロラだった。その二本足で立つカエルの怪獣は犬の怪獣ドッグンと対峙した!!巨大な二体はお互いを殴り合い蹴飛ばし掴みかかった!!
終わりの見えない巨大怪獣同士のケンカが始まった。ドッグンは思ったどうしてこうなったのか?俺がいけなかったのか?昔はペットとして旦那と子供と奥さんにかわいがられ、何不自由しない生活だった。なのに旦那は会社を辞めて奥さんと離婚子供も奥さんに引き取られた。犬が育った一戸建ても売りに出され旦那も犬を捨てるしかなくなり犬も承知で野犬になったのに。それで生涯を終える予定だったのに。どうしてこうなった?ドッグンは思った。
これ以上迷惑はかけられない。その時日本政府の切り札!!ダイヤモンドも砕くドリルミサイルが届いた。日本政府は容赦なく戦闘機でドリルミサイルを撃った。ゲロラとドッグンはそのドリルミサイルを全身に受けた。そして二体の巨獣は東京湾に追い詰められた。日本政府は最後のトドメとしてドリルミサイルを一斉射撃した。ゲロラは身をかがめてしまった。ドッグンは何かを決心したかのようにドリルミサイル全弾を体で受け止めた。そして倒れるドッグン。赤い赤い夕日だった。夏が終わるかのような夕日だった。
倒れたドッグンを抱えたゲロラは赤い赤い夕日の沈む海にドッグンを抱きしめながら沈んでいった。二体の巨大生物の影が赤く伸びる人々はほっとして建物を立て直し日常に帰っていく。
子供は思った。助かった、でも何だろう?この気持ち?ぬぐい切れぬ気持が芽生えた。
おしまい