第40話:特訓の成果(2)
「美鈴、冷子大丈夫か」
二人の側に寄る清二。
「心配ない。とっさに私が二人とも怪我をしないようにしたからな」
そう言う冷子。
「ご、ごめんなさい・・・まだ上手く出来なくて」
そう告げる美鈴。
「いや、お前の力・・・見せてもらった。あとお前に必要なのはコントロールだ。だが、この短期間で自身のESを使えるようになったんだ。美鈴ならやれるはずだ」
そう言う冷子。
「ありがとうございます・・・あっ、私今日はこれで帰りますね。あまり遅くなると妹が・・・」
美鈴がそう言うと
「そう言えば妹がいるって言ってたな・・・」
そう呟く清二。
「うん・・・それじゃありがとうございました」
もう一度お礼を言って剣道場から出て行く美鈴。
「冷子・・・お前、腕は・・・」
「美鈴に言わなかったことだけは感謝する。私も美鈴の成長は楽しみだ。だから怪我などさせたくは・・・」
そう言う冷子。
「だけど・・・ESに関わっている以上・・・美鈴も」
表情を曇らせながら言う清二。
「だからこそ私やお前がいる。頼りにしているぞ・・・清二」
そう告げる冷子。
「全く・・・二人も守らなきゃいけないからな・・・だけど俺も男だからな。やってやるよ」
そう言う清二。
「今日は私も帰るとしよう・・・この腕は何ともないと言うことにしないといけないからな」
「だけど必ずまたあいつが現れるはずだ・・・」
清二がそう言うと
「それはお前が何とかしてやれ。幼なじみだろう・・・元々一人でいるイメージが私は強いからな。美鈴といてもおかしいだろ」
少々笑みを浮かばせながらそう告げる冷子。
「出来る限り美鈴を一人にはしないようにするよ」
そう言う清二。
そんな中、謎の行動をやっている正行達はというと・・・。
「次は俺が行く。お前に任せていても目的は先に進まないからな」
そう正行に告げる直樹。
「待てよ!あいつ等にやられっぱなしじゃ気分悪いだろうが。四大元素の能力者以外なら本気でもいいんだろ」
そう言う正行。
「正行さんも・・・お兄様も喧嘩は・・・」
そう言う聖羅。
「落ち着け直樹。次の作戦には正行が必要なのじゃ・・・」
「しかしお爺様・・・」
そう告げる直樹。
「安心しろ・・・直樹にもやってもらうことがある・・・」
そう言ったゲンドウ。
「お爺様、私は・・・」
「聖羅は待機じゃ。聖羅の力は戦い向きではないからな」
そう告げるゲンドウ。
「正行さん、お兄様・・・怪我をしないで戻ってきてください」
そう言う聖羅。
「お前の役目は知らないが今度こそあいつ等をやってやるからな」
「相性で有利な相手にも勝てないお前が活躍など出来はしない」
「何だとっ」
「お、お兄様・・・」
また始まる二人の口喧嘩に慌てる聖羅。
そしてゲンドウ達は、次なる作戦に向けて動き始めるのであった。