第38話:ESの秘密(3)
「聞こえなかったのか?お前・・・」
正行がそう言うと
「聞こえてるさ・・・ただちょっと色々わかってしまったからな・・・」
そう告げる清二。
「あのね清二君・・・」
何か話しかけようとする美鈴だったが
「心配するな美鈴。お前はお前のやる事をやれ」
そう言った清二。
「清二君?」
不思議そうに清二の顔を見る美鈴。
「だから俺が用があるのは・・・」
「悪いが美鈴は別の用で忙しいからな・・・遊んで欲しいなら相手になるぜ」
そう正行に言い放つ清二。
「清二君、あの人は・・・」
「冷子の奴、こんな回りくどいやり方しなくってもいいのにな・・・」
そう呟く清二。
「正行、一応用心しておけ。あいつは・・・おそらく」
そう言うライズ。
「美鈴!冷子に修行の成果見せたいんだろ!なら、俺にかまわず自分の修行に専念しろ」
そう言い正行を睨みつける清二。
「まずはお前をどかさない限り指令を実行出来ないか・・・ライズ・・・ほどほどにやるぞ」
「そう簡単に行くと思わないでほしいな・・・出ろ!アクル!!」
すると清二の前に水の塊が出現した。
そして、それが破裂すると中から水の精霊・アクルが現れたのだった。
「やはりES使いか」
そう言うライズ。
「しかも二人目の四大元素能力者だと」
驚いている正行。
「四大元素?」
「後で話してやるよ。冷子も呼んでな」
そう言う清二。
「何を強がってるんだ?四大元素には驚いたが、お前は俺との相性最悪だろうが」
そう言い放つ正行。
「やってみなくちゃわからないだろう」
能力を使い合う前からぶつかり合う清二と正行。
そして美鈴はというと、二人から少し離れて修行でやった精神の集中を行っていた。
「あの時は何だったのかわからなかったけど、今ならわかる。私の・・・」
『・・・来て・・・』
「!?」
突然聞こえてきた声に驚く美鈴。
『・・・大丈夫だから・・・貴方自身の中に・・・来て』
「この声・・・もっと意識を集中させて・・・」
そして次の瞬間、美鈴はその場に座りこんだのだった。
「美鈴!?」
「何よそ見してるんだ、お前だって経験してるだろうが・・・しかし、この短期間で精霊と交信しやがったか・・・四大元素の使い手だけはあるな」
「正行、せっかくだ。風が覚醒するまで遊ばせてもらうぞ」
そう言うライズ。
「精霊だけでやるのか?」
「ただの遊びだ・・・お前も能力者なら少しは楽しませるんだな」
と、ライズは身体から電撃をほとばしらせ照準を清二とアクルに合わせていた。
そして、清二・アクルとライズの戦いが始まろうとしている頃・・・美鈴は・・・。