表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/114

第36話:美鈴と冷子(1)

翌日の朝。


美鈴と佐和子は自宅の玄関前にいた。


「佐和子、準備オッケーだね」


「うん、大丈夫だよお姉ちゃん」


そう答える佐和子。


「それじゃ途中までだけど一緒に行こうか」


ここに引っ越してくる前と同様に、姉妹仲良く登校していく美鈴と佐和子。


美鈴が通う中学校への登校ルートは、佐和子の通う小学校が途中にある。


そのため、美鈴は自分に用事がないときは小学校まで佐和子に付き合うという風に決めていた。


「お話しながらだとすぐに着いちゃうね」


そう言う佐和子。


「それじゃ帰りの時間が同じくらいだったら一緒に帰ろうね」


「うん、お姉ちゃん勉強頑張ってね」


佐和子に応援され、中学校へと急ぐ美鈴。


「ここが聖憐中学校・・・」


校門の前に立ち、校舎を見上げる美鈴。


「と、職員室に行かなきゃ」


慌てて学校内に入り、昨日行った職員室に向かう美鈴。


そして、美鈴は担任の先生に紹介され新しいクラスの一員となるのであった。


転入生恒例の休み時間の質問責めを乗り越え、昼休みを迎えた美鈴。


「よっ、初日から大変だな美鈴」


「久しぶりだね、清二君・・・何年ぶりかな」


昔を思い出しながらそう言う美鈴。


彼の名前は水落清二。


美鈴の幼なじみで、小さい頃は風見家の近所に住んでいた。


後に、この聖憐町へと引っ越してきたのである。


「俺もこの町にきて数年だけどな・・・まぁ、悪くない町だぜ」


そう言う清二。


と、その時美鈴は後ろの方の席に座っている一人の女の子に気付いた。


(あれ、あの子・・・確か昨日)


少ししか姿を見ていなかったため、あまり覚えていなかった美鈴だが、その女の子と似ている感じがしていた。


「どうした?美鈴」


尋ねる清二。


「ねぇ、あの子って・・・」


「あぁ、彼女は氷見冷子。成績は優秀だけど人を寄せ付けない感じを出してるから・・・クラスメートでもあまり話し相手がいないみたいなんだよな」


そう説明する清二。


そして、昼休みも終わり午後の授業を頑張っている美鈴。


だが、そんな美鈴を冷子がじっと見ていることを美鈴は気付かないでいるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ