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第34話:フラウの心と絆(3)

その日の夕方。


本来は夜に集まる予定だったのだが、どうも全員別れることを意識してなのか早めに集まっていた。


「でも、霞。その宝石があればすぐリオン達が見つけてくれるのよね」


そう聞く璃花。


「うん。リリスがそう言ってたから。それにこの宝石の持ち主の妖精もこの世界にいるだろうからって」


「じゃあ俺達の宝石はサナー達が持っていくのか?」


尋ねる潤。


「あたり前だ。宝石が…というより宝石の力がなくては戻れないからな」


そう説明するサナー。


「迷惑をかけてしまった。お前の妹にもな…慎二」


そう言うローズ。


「今は…そう思っていない。少なくとも…澄香はな」


そう言う慎二。


「アイリ…再会したら思い切り遊ぼうね」


「うん、澄香!」


別れを悲しみ、次に出会う日を楽しみに待ち約束をかわす澄香。


「そろそろ暗くなってきましたね」


空を見上げてそう言う恵美。


「遅くなっては恵美達が心配だ…リリス」


そう言うレット。


「別に心配ない。恵美達なら俺達が家まで送っていけば問題ないだろ。潤」


そう告げる湊。


「そう言うことだ…って、格好いいこと言ってるけど本当は少しでも別れるまでの時間稼ぎしてるだけなんだよな」


そう言う潤。


と、ポケットから青の宝石を取り出した霞。


「これが…私を変えてくれたきっかけ…そして、リリスと出会えた…」


「霞…」


すると霞は、青の宝石をリリスに渡した。


「戻ってきたら…お帰りって言うからね」


「うん、霞…」


「一応感謝してるぜサナー…次に会う時までこれは返しとくぜ」


橙の宝石を渡す潤。


「俺がいないとお前は消極的だからな…大切な人ぐらい自分の力で守って見せろ」


そう言うサナー。


「次に会うときはリリスみたいにしっかりとね…お互い成長して…再会だからね」


「はい!」


笑顔で赤の宝石を受け取るリオン。


「お前は悪くない…俺の心があいつに負けたからこそ起こした戦いだ…コスモ…お前は罪を意識しすぎるなよな」


「それは難しいな…俺はずっとお前のパートナーだ…だからこれからも共に歩む…」


複雑な心境ながらも、黒の宝石を手渡す湊。


「本当にお世話になりましたね。湊君との事もレットには迷惑を…」


「その話はもう解決しました。今は大切な仲間です…それに恵美の優しさがあればみんながいがみ合うこともないでしょう」


過去の出来事を思い出しながら恵美は、緑の宝石をレットに渡した。


「別に何も言うことはない…ただ、戻ってきたら顔見せぐらいはしろよ」


そう言い紫の宝石を投げ渡す慎二。


「わかっているさ、慎二」


そう告げるローズ。


「はい、アイリ」


「ありがとう澄香。約束守るからね」


涙を浮かべながらも笑顔で黄の宝石を渡す澄香と、受け取るアイリ。


すると、七つの宝石は淡い光を放ちだすとリリスたちを包み込んでいった。


「それじゃみんな…戻ってきたらすぐに会いに行くから」


「うん、帰ってきたらフラウフェアリーの世界の話聞かせてね」


そして、リリスたちフラウフェアリーは宝石と共に空へと浮かんでいった。


霞達に見守られながら、宝石の力によって空に開かれたゲート。


「またね、霞!」


そして、リリスたちはこの世界から旅立っていったのだった。


「さてと、明日から普通の学校生活になっちゃうわね」


そう言う璃花。


「違うよ璃花ちゃん。リリス達はいつでも心の中にいるから…ねっ」


笑顔でそう言う霞。


そして、フラウフェアリーたちの存在を心に残し、霞達はこの場を後にするのであった。


再会の時…成長した自分を見せるために…この先の未来は二つの絆を繋げる桃の宝石のみが知っているのかもしれないのであった。

毎度の閲覧ありがとうです。ついにですがこの話を持ちましてファンタジードリーム第一章【フラウフェアリー編・1】が終了しました。次話からは同世界内で新たな舞台によるストーリー・第二章【エレメンタルソウル編・1】を執筆していきますのでお楽しみに。また、第三章では再びフラウフェアリーメインの話を計画してますので、そちらの方も楽しみにしていてください。

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