第34話:フラウの心と絆(2)
「リリスたちの世界・・・フラウフェアリーの・・・」
そう呟く霞。
「何となくわかってたけどな・・・」
そう言う潤。
「本当はずっと霞達と一緒にいたいけど・・・私達の世界の様子も気になるから」
「そうだよね・・・リリスたちにはリリスたちの世界があるんだもんね」
自分に言い聞かせるように告げる霞。
「霞・・・別れちゃったら言いたい事も言えないんだよ・・・今言っておかないと・・・」
そう言う璃花。
「そう言うことなら・・・ローズ達が帰るのは明日の夜でいいんじゃないのか?」
そういった慎二。
「お兄ちゃん・・・」
「私もそれに賛成します」
そう告げた恵美。
「うん・・・そうだね」
リリスを手のひらに乗せながら、そう告げた霞なのであった。
この日の夜。
夕食後自室にてリリスと向かい合っていた霞。
「霞・・・」
「色々ありがとう・・・リリス」
「えっ」
霞の言葉に驚くリリス。
「戦いは大変だったし・・・湊君の事とか嫌なこともあったけど・・・でも、リリスと出会ってからとっても楽しかったよ」
笑顔でそう言う霞。
「霞!」
と、霞に飛びつくリリス。
「私達は絶対に戻ってくる・・・いつになるかはわからないけど・・・でも、絶対だから」
そう言うリリス。
「うん、約束だね」
そう言いリリスを手のひらに乗せる霞。
「霞・・・あの桃色の宝石・・・持っていて」
「?」
不思議そうな表情をしている霞。
「多分まだこの世界にあの宝石と繋がっているフラウフェアリーがいると思うの・・・だから私達が戻った後見つけたら保護してあげて・・・それとその宝石は目印だから」
「リリス・・・」
「私達が戻ってきた時の目印・・・すぐに霞を見つけられるように」
そう言うリリス。
「ありがとうリリス・・・私達はこれからも…離れていてもパートナーだよ」
そう告げリリスを天に掲げる霞。
そして、残り一日。
たった一日のその期間は、あっという間に過ぎていった。
リリスたちフラウフェアリーたちはその一日ずっとパートナーと一緒に行動していた。
そして・・・。