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第34話:フラウの心と絆(1)

そして、放課後。


その時間は、静かに訪れた。


「何だろう・・・何度もここには来てるけど・・・今日はなんだか違う感じがする」


そう言う霞。


「サナー達はまだ来ていないか・・・」


潤がそう言うと


「じゃあ、それまで何か話しましょ。戦いは終わったんだし…もう、誰も辛い思いしなくていいんだしさ」


そう告げる璃花。


「お兄ちゃん・・・」


そんな中、澄香は少し離れた場所にいた兄の慎二の方を見た。


「俺が最初から協力していたら・・・少しは戦いも楽になっていたのだろうか・・・」


そう呟く慎二。


「お兄ちゃんは・・・私を守ってくれてたから…だから私が戦わなくていいようにって・・・」


そう言う澄香。


「別に慎二先輩だけじゃないですよ・・・霞達の歩みを止めたのは・・・」


そう言いながら慎二と澄香の元にやってきた湊。


「俺なんかディオグに協力してたぐらいだからな・・・恵美まで巻き込んで・・・今思えば本当に最悪だった」


そう言う湊。


「お互い様ということか・・・だが、戦いは終わった。もう・・・心配はいらないだろうな」


そう告げる慎二。


と、そんな時


「お待たせ!霞」


そう言ってリリス達がその姿を現したのだった。


「遅いぜ、サナー」


「別に正確な時間指定はしてなかっただろ・・・」


そう告げるサナー。


「とりあえず私達は私達で色々話したりしてたので・・・」


そう言うリオン。


「とりあえず・・・全てが落ち着いたから・・・全てを話すね、霞」


「う、うん・・・」


何故だか緊張している感じの霞。


「とりあえず潤たちも思っているだろうが、ディオグの正体・・・俺達も本当に知らなかったんだけどな・・・」


そう言うサナー。


「ディオグは・・・我々の世界に住むフラウフェアリーたちの負の思いが集まり生まれた存在」


そう説明するローズ。


「負の思いって・・・」


澄香が聞くと


「湊たちも負の感情を出すことがあるだろう?それはフラウフェアリーも同じ・・・だけど、特殊な力を持つフラウフェアリーの負の思いはその思いにも力が宿っていた」


そう言うコスモ。


「負の思いは闇のエネルギーとなり、一つにまとまっていった。そして、それがいつからか自我を持ち・・・ディオグとなった。詳しくは知らないけれどディオグは前から誕生していたらしいの」


そう告げるリリス。


「じゃあ、その前の時も誰かが倒したって事?だからあんな煙みたいな状態になってたの?」


璃花が尋ねると頷いたリオン。


「倒したって言うより封じたって事だと思うの。だけど、その力も完全にディオグを止めることは出来なくて・・・ディオグはこの人間の世界で負のエネルギー…闇のエネルギーを集めようと行動を起こした・・・」


「それでリリス達が・・・この世界に来たんだね」


そう言う霞。


「本来なら七人全員で向かえば完全体になる前にディオグを倒せたんだが、この人間界に影響を与えたくなかったからな」


そう告げるサナー。


「それに上手くパートナーと接触できるかもわからなかった・・・それも理由のひとつ」


そう言うレット。


「その話・・まだ続きがあるとすればディオグはまた現れる・・・と、言うより新たなディオグが生まれるかもしれないんだろ」


慎二がそう言うと真剣な表情になるフラウフェアリーたち。


「負の思いで生まれるディオグ・・・だからいつまた新たなディオグが出るかわからない・・・でも、私達はそうさせないために頑張ろうって・・・さっきも話してたの」


そう言うリリス。


「だからね澄香・・・本当は・・・嫌だけど」


哀しそうな表情を見せるアイリ。


「・・・リリス・・・」


「私達は私達の世界に戻らないといけないの・・・」


そう静かに・・・霞達に告げたリリスなのであった。

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