第32話:光と闇・最後の戦い(1)
再びディオグの闇の異空間へと戻ってきたフラウリリー。
「!?」
『これって…』
驚いた表情を見せるフラウリリーとリリス。
フラウリリーが見たのは倒れている仲間たちの姿。
そして、ただ一人立っていたフラウイリスの姿だった。
「澄香…ちゃん…」
静かに声をかけるフラウリリー。
「やっぱり…戻ってきてくれたね…霞ちゃん」
そう告げるフラウイリス。
「立派な姿でしたよ…皆さん貴方が戻ってくるのを信じて再び私に挑んできました…しかし、結果は見ての通りでした…しかし…」
そう言うディオグ。
「フラウイリスだけは倒れる事無く貴方を待ち続けていましたよ…私も直接攻撃を当てたわけではありませんが…流石精神力の強弱で威力が変わる技を持っているだけはありますね…物凄い精神力です」
「澄香ちゃん、しっかりして」
フラウイリスを支えるフラウリリー。
「私だけは…倒れちゃダメだって…何故か…そんな気持ちが湧き上がってきて…だから私…」
足元がふらつきながらそう言うフラウイリス。
「ゴメン、私遅くなっちゃって…それに…」
「いいんだよ…それにね…霞ちゃんが戻ってきたから…」
と、小声でフラウリリーに何かを伝えるフラウイリス。
「えっ…でも、そんな事したら…澄香ちゃんが…」
そう言うフラウリリー。
「ディオグを倒すには…これしかないから…霞ちゃんがいなくなった後…ディオグにまた向かっていったお兄ちゃん達にも…ちゃんと伝えてあるから…みんなただやられただけじゃないよ」
「えっ、それって…まさか…」
フラウリリーは倒れているフラウサニー達を見た。
と、フラウリリーに向けて親指を立てていたフラウサニー。
「潤君…」
「だから…」
「お話はそれくらいで構いませんか?今度は戻ってきたフラウリリーの相手をしなければいけませんからね」
そう告げるディオグ。
「…絶対大丈夫だよね…澄香ちゃん」
「うん…」
フラフラながら笑顔を見せるフラウイリス。
と、手をかざすフラウイリス。
「ホーピッシュクリス・ユニゾン!」
そして、フラウイリスは倒れているフラウサニー達に向けてホーピッシュクリス・ユニゾンを放つのであった。