第31話:絶望と希望(2)
「リリス?」
不思議そうにリリスを見る霞。
「これって…そんなはずは…」
何やら驚いているリリス。
「それってピンク色の宝石…リリスの青色の宝石と同じ…なの?」
そう聞く霞。
「だと思うけど…どうしてこんな所に…それに宝石だけでフラウフェアリーの気配がしない」
そう言うリリス。
「…」
じっとピンク色の宝石を見つめている霞。
と、その時突然淡く光りだしたピンク色の宝石。
「えっ…」
霞が驚いているとピンク色の宝石は宙に浮き、霞の手の中に降り立っていった。
「どうして…私の所に…」
「その宝石が…霞を選んだ…」
そう言うリリス。
「でも、リリス…私は…」
「霞…恐怖があるのもわかるよ…でも、何とか出来るのは霞だけ…フラウリリーの力なの」
そう告げるリリス。
「リリス…みんな待っててくれてるのかな…逃げ出そうとした私でも…また…」
「大丈夫だよ…みんな仲間でしょ…それにそのピンクの宝石…きっと霞の力になってくれるから」
そう言うリリス。
「ありがとう、リリス」
と、リリスを自分の掌に乗せる霞。
「でも…」
と、突然そう告げる霞。
「どうしたの?霞」
「どうやってみんなのいるディオグの異空間に行けばいいのかな…ディオグが私達を招き入れるために開いたあの穴はもう無くなってるし…」
そう言う霞。
「それなら学校の屋上に戻れば…あの異空間の亀裂がまだ残っているのなら…」
「うん、リリス!行こう」
そして、霞はリリスとジョイントフェアリーしてフラウリリーに変身した。
「変身するのこれで最後になるかもしれないけど…」
『精一杯…頑張ろう霞』
そして、フラウリリーは屋上へと一直線に飛んでいった。
「感じる…異空間から流れてるディオグの力…亀裂はまだ残ってる」
わずかながら屋上の所にディオグの異空間への亀裂が人一人通れるぐらいのがあいていた。
『でも、いつまでも開いているわけじゃない…急いで霞!』
そう言うリリス。
そして、フラウリリーはノンストップでその亀裂へと飛び込んでいくのであった。