第30話:完全なるディオグ降臨(2)
「ディオグ…」
だが、現れたディオグはかつてのエネルギー状ではなくなっていた。
ダークフェアリーが人型のブラッドになったように、ディオグも人の姿をしていた。
「何なんだ…ディオグまで…」
そう言うフラウサニー。
「それは違うな…私は元々お前達人間と同じような姿だったのだ。封印され力を封じられてあのような形のない身体になってしまっただけだ」
そう告げるディオグ。
「もっと早くこの姿になっていればお前達の世界で出会えたのだがな…少しは人間の生活というものをやってみたかったが」
「何だと…」
そう言いディオグを睨み付けるフラウロゼリア。
「そう怖い顔をしないでくれ…さっきも言ったように不意打ちでお前達を倒すのはここまで来れたお前達にする事じゃない。逆に少しでもチャンスを与えようと思ってね」
そう告げたディオグ。
「チャンス…」
そう呟くフラウディオン。
「これからしばらくの間私は攻撃をしない。好きなようにお前達は攻撃してくれ」
そう言ったディオグ。
「好きなように攻撃だと…余裕を見せてるつもりか」
そう告げるフラウインフィ。
「お前達に敬意を表してだよ。さぁ、攻撃してくるがいい」
そう言い手を広げるディオグ。
「霞、やるわよ」
「うん…」
こういう展開を予想していなかったフラウリリーは、多少戸惑っていた。
「クロッシングクルス!」
即行で攻撃に転じるフラウロゼリア。
「みんな続け!奴が油断している間に奴を消滅させる!」
そして、フラウロゼリアに続き攻撃を放っていくフラウソルジャーたち。
しかし、ディオグはその場から動くことなくフラウソルジャーたちの攻撃を受けていた。
「澄香ちゃん、同時に攻撃するよ」
「はいっ」
そして、フラウリリーはセイントフライヤーを…フラウイリスはホーピッシュクリスをディオグに放った。
爆発と共に攻撃を受けるディオグ。
「流石に光の技はダメージを受けるな…人型となっても闇であることには変わらないからな…私の身体は」
そう言うディオグ。
「効いてないのかよ…ほとんど」
そう言うフラウサニー。
「あれだけの攻撃を受けてダメージは少ない…ただ防御が強いだけなのか」
そう告げるフラウインフィ。
「怯むな!少しでもダメージがあるなら攻撃を繰り返せばダメージは蓄積していく!」
そう仲間達に伝えるフラウロゼリア。
「よし、もう一発行くぜ璃花」
「もちろんよ!」
次々と攻撃していくフラウソルジャーたち。
だが、ディオグの表情は変わることなく攻撃を受け続けていた。
「ダークフェアリーたちをブラッドとしてお前達と戦わせ…最終的なお前達の戦力を測らせてもらった…それに七人目のフラウソルジャーの能力も知る事が出来た」
「!?」
その言葉に驚くフラウイリス。
「そして…今お前達は私の思惑通りに動いているのだよ」
突然そう告げたディオグなのであった。