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第29話:開かれた異世界への扉

「やった!」


喜ぶフラウディオン。


「ブラッドを倒した…」


そう言うフラウインフィ。


聖なるエネルギーに貫かれたブラッドは、身体から闇のエネルギーが粒となり放出され始め人型としての形がなくなっていった。


「我が…最高の力を得た我が…負けるなど…最後の一人…フラウイリスの力を見誤っていたからか…」


そう呟くブラッド。


「やったね、澄香ちゃん」


「うんっ」


互いに喜び合うフラウリリーとフラウイリス。


「ふっ…」


と、そう呟いたディオグに気付きディオグの方を向くフラウソルジャー達。


「何だ…」


その時フラウサニーはディオグから異様な何かを感じ取っていた。


「実に見事だ。我が部下を倒すとは…それは私にとっても予想外だった。しかし、そのおかげで私は完全な存在となれる」


突然そう言い放ったディオグ。


「完全な存在だと」


そう言うフラウロゼリア。


「何故私が失敗ばかりのダークフェアリーたちをずっと手元に残してきたと思っている…全てはこの為…私が完全な存在になるためだったのだ」


「完全な存在って…」


と、ブラッドから放出されていた闇のエネルギーはディオグの中に吸収されていた。


「ディオグ…様…これは…」


「最後までいい働きだった…ここで勝っていればよかったのだが、まぁそれでも私が完全な存在になれたのだ…お前は十分に私の駒として動いてくれた…安心して消えるがいい」


「ディオグ様…我…いや、我々は…」


と、ディオグは次の瞬間小さなエネルギー球を放ちブラッドを貫かせた。


「あっ!?」


驚くフラウリリー達。


「ディオグ…様!」


その一撃でブラッドの身体は全て粒状の闇のエネルギーとなり、ディオグに吸収されてしまった。


「ダークフェアリー達のこのエネルギーこそ私が完全な存在になるための最後のピース。それをお前達が手伝ってくれたのだ…最後のピースになるまでに成長させてな…」


「私達が…」


「まさか、俺達と戦わせる事で闇の力を何度も増幅させて…」


そう言うフラウサニー。


「その通りだ。さて、エネルギーは満ちたが完全な姿になるにはまだ時間がかかる…しかしお前達も私にその時間を与えることはしないだろうな」


「当たり前だ。お前を倒せば全て終わる。ここで終わらせる」


そう告げるフラウロゼリア。


「私を倒すか…ならば見つけ出す事だな…私達闇の者が存在する異世界でな」


と、突然ディオグの背後に巨大な穴が出現した。


「!?」


「おい、あれって…」


「闇の世界への入り口…そこで完全な姿となりお前達を待っているぞ。私を倒したくば追ってこい」


と、その穴に入ろうとするディオグ。


「させるか!」


ディオグを止めようとしたフラウロゼリアだったが、ディオグは余裕を持って穴の中に消えていったのだった。


「…消えちゃった」


「お兄ちゃん…私達どうするの?」


そう聞くフラウイリス。


「聞かなくても大体わかるけどな…ここから先は危険度最大だ…あのブラッドでさえあの強さだ…」


そう言うフラウサニー。


「正直…私も怖いよ…完全な姿のディオグ…そして、あの異世界…」


そう呟くフラウディオン。


「でも、行くしかありません。ディオグが完全な姿になって…私達を待ちきれなくなったら今私達がいるこの世界で戦いが起きてしまいます…そうなったら」


そう言うフラウヴィオラ。


「慎二さん」


と、フラウロゼリアに声をかけるフラウリリー。


「俺にためらいはない…元々ディオグを倒す、それを目的に動いてきた」


すると、フラウリリー達を見るフラウロゼリア。


「お前達…この中に行く覚悟はあるんだな?」


「うん…今は、ううん…今もみんな一緒だから…だから大丈夫」


そう言うフラウリリー。


「やるしかないだろ…それに七人全員揃っているんだ。これならディオグだって倒せるはずだ」


そう告げるフラウサニー。


「…わかった…澄香も大丈夫か?」


「うん、お兄ちゃんと霞ちゃん達がいるから」


そう言いフラウロゼリアの手に触れるフラウイリス。


そして、決意を固めたフラウソルジャー達は、ディオグのいる闇の異世界へと突入していくのであった。

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