第28話:ダークフェアリー最後の戦い(2)
「うぅっ…」
爆風を受け目を閉じるフラウリリー。
「流石、フラウソルジャーの中で一番戦いを経験しているだけはあるな。フラウリリー」
そう言うブラッド。
「霞、大丈夫か」
側によるフラウサニー。
「うん、私なら大丈夫」
そう答えるフラウリリー。
「にしても、どうやってあいつを倒す?あいつの行動スピードは速い。霞の攻撃を当てようと俺達がサポートしても、俺達の技を相殺した上で霞の技も止められる…同じ技を使ってくる以上…」
そう言うフラウインフィ。
「さて、どうするフラウソルジャー。これ以上戦ってもお前達が疲労していくだけだ…我のエネルギーは無限」
そう告げるブラッド。
「おい、お前等…」
と、フラウリリーたちにそう言ったフラウロゼリア。
「何だよ・・・」
不機嫌そうな顔でそう言うフラウサニー。
「俺がディオグを倒す。道を作れ…ディオグを倒すにはあいつが邪魔だからな」
「ちょっと待ちなさいよ。あのブラッドを倒さない限りディオグを倒すなんて無理よ」
そう言うフラウディオン。
「ディオグさえ倒せばブラッドも消滅するはずだ。ブラッドはディオグのエネルギーを受けてパワーアップしているんだから」
そう説明するフラウロゼリア。
「我を無視してディオグ様と戦う事など許さない」
そう言うブラッド。
「お前には用はないんだよ…俺の目的はディオグを倒す事…」
「…私も…戦います」
突然そう呟いたフラウイリス。
「ダメだ、お前は…」
「だってこの状況を何とか出来るのは私しかいないでしょ。あの人…私の技は見ていないから」
フラウイリスがそう言うと、驚くフラウリリー達。
「フラウイリス…」
「私やります」
そう告げて一番前に出るフラウイリス。
「なるほどな…フラウロゼリアと共に姿は見せていたがお前は戦いに参加していなかったからな。それ故にお前の技を我が使う事は出来ないのも正解だ」
そう言うブラッド。
「それにね…私の技ならブラッドを止めておける…だから」
構えるフラウイリス。
「来い、フラウイリス」
「行きます。ホーピッシュクリス!」
透き通ったキラキラしたエネルギーを放つフラウイリス。
「お前の技さえ防げればお前達は絶望するしかない。ダークフライヤー」
フラウリリーのダーク化技でホーピッシュクリスを防ごうとするブラッド。
と、フラウイリスの側によるフラウロゼリア。
「大丈夫か?」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。今私は何か嬉しい…この力で大変な事もあったけど、今は同じ力を持っているみんなと出会えて…だから、私負けないよ」
そう小声で話すフラウイリス。
と、ホーピッシュクリスのエネルギーが少しずつ上昇していった。
「何だと…」
次第に押され始めるブラッド。
「…」
そんな中、離れた場所から観察していたディオグ。
「なるほど、あのフラウソルジャーの力はそう言う事か…ならば」
何かを思いつき行動を開始するディオグ。
「いいぞ、あいつの技を破ったら俺が追撃する」
そう言うフラウロゼリア。
「霞、霞も」
「うん」
いつでも攻撃出来るように準備をするフラウリリー。
「流石は最後の一人といったところだな、フラウリリー」
「!?」
突然近距離に姿を見せたディオグに驚くフラウロゼリア。
と、闇の波動を受けてフラウロゼリアは弾き飛ばされてしまった。
「あっ…」
「お前の力の秘密はわかった…だが、この戦い…お前が負ければ全てが終わる。そして、また昔に戻るだろうな」
そうフラウイリスに呟くディオグ。
「そんな事ない…今はみんなが…」
「本当に仲間達はお前を受け入れるのか?まだ正体も明かしていないお前やその仲間を突き放しているフラウロゼリア…そいつ等を受け入れるとは思えないがな」
「!?…でも…私は…」
と、今度は少しずつホーピッシュクリスのエネルギーが弱くなり始めた。
「そいつの言葉に耳を貸すな!」
そう叫ぶフラウロゼリア。
「お前は受け入れられる事はない…この戦いが終わっても孤独に戻るだけだ…それでも戦い続けるのか?」
「…」
過去に嫌な事があったのか、それを思い出すフラウイリス。
「そう言う事か…ならばお前はもう終わりだ」
と、一気にダークフライヤーの出力を上げてホーピッシュクリスを押していった。
「あっ…」
そして、フラウイリスはそのままブラッドのダークフライヤーのエネルギーの直撃を受けてしまったのであった。